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n236_値上げ」でしのぎますか? それとも若手の「熱狂」に賭けますか? ドウシシャのヒット連発に学ぶ、停滞感を打破する経営

ドウシシャの野村正幸社長へのインタビューに基づき、同社のユニークな経営戦略とヒット商品の創出術について述べています。主な焦点は、若手社員への大胆な権限委譲と、彼らの自由な発想を活かした新製品開発の推進です。特に、UHA味覚糖とのコラボレーションで生まれた「ゴリラのひとふり」は、若手の「面白い」という感覚を信じて製品化された成功事例として強調されています。同社は、安易な値上げに頼らず、付加価値の高い新製品を常に市場に投入することで、持続的な成長と安定した収益を目指しており、事業部制による多角的な展開と、「失敗を恐れない文化」の醸成がその基盤となっています。

(1)記事全体の要約

株式会社ドウシシャの野村正幸社長へのインタビュー記事です。同社は、若手社員の自由な発想を活かした商品開発でヒットを生み出しています。特に、UHA味覚糖との異業種コラボで生まれた調味料「ゴリラのひとふり」は、若手社員の「面白い」という感覚を信じて製品化し、成功を収めました。原材料高騰による値上げが相次ぐ中、同社は安易な値上げよりも、付加価値の高い新製品開発を優先。若手に企画から開発までを任せ、失敗を恐れない企業文化を醸成することで、継続的なイノベーションを目指す姿勢が語られています。

(2)記事の3分割要約

1. 若手中心の開発体制への転換
ドウシシャは、ベテランの経験則に頼りがちだった商品開発体制を刷新し、若手社員中心のチームに切り替えました。社長自らが「面白い」と感じた若手のアイデアを後押しすることで、これまでにない斬新な商品が生まれる土壌を作っています。この転換により、社内に新しい風が吹き込み、挑戦的な企画が次々と生まれるようになりました。
2. 異業種コラボが生んだヒット商品
若手社員の発案から始まったUHA味覚糖とのコラボ商品「ゴリラのひとふり」は、同社の新しい開発スタイルを象徴する成功事例です。食品と雑貨という自社の事業領域にとらわれず、「面白い」という純粋な探求心から生まれたこの商品はSNSでも話題となりました。異業種との連携が、新たな価値創造の起爆剤となることを示しています。
3. 「失敗OK」が育む挑戦の文化
野村社長は「値上げより新製品」という方針を掲げ、若手の挑戦を積極的に奨励しています。たとえ失敗しても、そこから学び次に活かせばよいという考え方が社内に浸透しつつあります。若手のアイデアを事業化するための専門部署も設立し、挑戦と失敗を許容する文化を組織的にサポートすることで、持続的な成長を目指しています。

(3) 経営者が新規事業を開発する上で参考にするポイント

  1. 若手への大胆な権限移譲
    若手社員の感性や自由な発想を最大限に活かすため、企画から開発、販売戦略までを一貫して任せることが有効です。経営者や管理職はプロセスに過度に干渉せず、最終的な結果に対して責任を持つ姿勢で「面白がる」ことが、社員の主体性と挑戦意欲を引き出します。
  2. 「失敗の許容」を明確に言語化する
    「失敗してもいい」と経営者が公言し、実際に失敗を責めない文化を醸成することが重要です。これにより、社員は萎縮することなく、斬新でリスクのあるアイデアにも挑戦しやすくなります。失敗を単なる損失ではなく、次の成功への貴重な学習機会と位置づける視点が求められます。
  3. 異業種コラボによる「化学反応」を狙う
    自社の常識や既存の枠組みの外にこそ、イノベーションの種はあります。全く異なる業種の企業と積極的に連携することで、自社だけでは生まれ得なかった新しい視点や技術、顧客価値を創造できます。ドウシシャの事例は、コラボが新たな市場を開拓する力を持つことを示しています。

(4)記事から読み取れるビジネス課題

この記事から読み取れるビジネス課題は、「若手の斬新なアイデアを、いかにして継続的に事業の柱へと育て上げるか」という点です。
単発のヒットで終わらせず、若手の挑戦を組織の文化として定着させ、安定的に事業化していくための「仕組み作り」が課題となります。具体的には、以下の2点が挙げられます。

  • アイデアの目利きと事業化プロセスの確立:数多く出るであろうアイデアの中から、事業性のあるものを見抜き、製品化まで導くための客観的な評価基準やサポート体制の構築。
  • ベテラン社員の経験との融合:若手の勢いを活かしつつ、経験豊富なベテラン社員が持つ知見やノウハウをいかにして融合させ、組織全体の力を最大化していくかという人材マネジメント。

(5)事業アイデア発想のための出題

  1. 貴社の若手やZ世代の社員が、普段の業務外で夢中になっていることや、「こんなのあったら面白いのに」と語っていることはありませんか?その個人的な「好き」や「面白い」を起点に、自社の技術やサービスと掛け合わせることで、全く新しい事業の種が生まれる可能性を探ってみましょう。
  2. もし貴社が、食品メーカーやエンターテインメント企業のような、全くの異業種と自由にコラボレーションできるとしたら、どのような「あり得ない」組み合わせの商品やサービスを創造しますか?自社の常識を一度捨てて、顧客が思わず笑顔になるような化学反応を考えてみてください。
  3. 「年間3つの新規事業に挑戦し、2つは失敗しても構わない」というルールを設けたとします。その場合、社員からはどのような大胆なアイデアが提案されるでしょうか?失敗を許容する環境を整えることで、これまでリスクを恐れて言えなかった、どのような挑戦的な企画が生まれるか想像してみましょう。

(6)経営者への具体的なアクション提案

明日からできるアクションとして、「社長直轄の若手特命チーム」を3人程度の少数精鋭で発足させることを提案します。
そのチームに「会社の既存事業や常識は一切無視して良い。3ヶ月以内に、世の中を『あっ』と言わせるような新商品の企画を1つ完成させること」というミッションと、自由に使える少額の予算を与えます。
重要なのは、その期間中、経営者は進捗報告を求めず、一切口出しをしないことです。この「聖域」を設けることで、若手は真のびのびと発想を広げ、責任感と当事者意識を持ってプロジェクトを推進する経験を積むことができます。3ヶ月後に出てきたアウトプットが、会社の新しい未来を切り拓く第一歩となるかもしれません。

#ドウシシャ #権限移譲 #若手育成 #企業文化 #異業種コラボ

小島章裕

元・苦情係の企画参謀、発想力が強み。お客様の「なぜ?」を事業の未来に変えます。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を成功に導きます。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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