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n237_その新規事業、主役しか見ていませんか? 「キッズパーク×整体」に学ぶ“顧客の付き添い”という金脈

(1)記事全体の要約

アミューズメント施設を運営するイオンファンタジーが、整体院などを展開するコりすぺと連携し、「足育(そくいく)」をテーマにしたキッズパークを宮城県に開設しました。子どもが裸足で遊具を使い足裏を刺激して発達を促す一方、その様子を見守る保護者は無料で整体を受けられるのが特徴です。コロナ禍を経て、親子双方のニーズ(子どもの遊びと親の癒し)を同時に満たすという、アミューズメントとヘルスケアを組み合わせた異業種連携による新しいビジネスモデルです。今後は多店舗展開も計画されています。

(2)記事の3分割要約

  1. 事業の概要:アミューズメントと「足育」の融合
    イオンファンタジーが、整体院を展開する企業と組み、宮城県に新しいキッズパークを開業しました。最大の特徴は「足育」というコンセプトです。子どもたちが裸足で遊ぶことで足裏を適切に刺激し、健やかな心身の成長を促すことを目的としています。
  2. 独自性:保護者の「不」を解消するサービス
    この施設の独自性は、子どもだけでなく保護者の満足度も追求している点にあります。子どもが遊んでいる間、保護者は併設されたスペースで専門家による無料の整体を受けられます。子育て世代の悩みである身体的な疲れやコリを解消するサービスです。
  3. 事業背景と今後の展望
    コロナ禍を経て新しいテーマを模索していたイオンファンタジーが、保護者の「身体の不調」という課題に着目したのが開発のきっかけです。「足育」の認知度向上も目指しており、この成功モデルを元に、今後1年で3店舗の出店と、将来的には全国展開を計画しています。

(3)経営者が新規事業開発で参考にするべき3つのポイント

  1. 顧客の「付き添い人」の課題解決
    主たる顧客(子ども)だけでなく、その「付き添い人」(保護者)が抱える課題(待ち時間の退屈、自身の疲れ)に目を向けることで、新たな付加価値が生まれます。自社のサービスを利用する顧客の周りにいる人々にも目を向け、その方々の「不便」や「不満」を解消するサービスを組み合わせる視点は、事業の独自性を大きく高めます。
  2. 「異業種×自社」による価値の創造
    「アミューズメント×ヘルスケア」のように、一見すると関連性のない異業種を掛け合わせることで、競合他社が容易に模倣できないユニークなビジネスモデルを構築できます。自社の強みと、全く異なる分野の専門知識やサービスを組み合わせることで、これまでになかった新しい顧客体験を創造できないか検討する価値は非常に高いです。
  3. 「社会課題の解決」を事業コンセプトに据える
    「足育の推進」という社会的なテーマを事業の核に据えることで、単なる遊び場以上の価値を顧客に提供できます。これにより、価格競争から脱却し、事業の理念に共感するファンを育てることができます。自社の事業を通じて貢献できる教育的・社会的なテーマを見つけ出し、ブランドストーリーとして発信することは、企業の信頼性向上にも繋がります。

(4)記事から読み取れるビジネス課題

本事業におけるビジネス課題は、「『足育』というコンセプトの市場認知度がまだ低いこと」です。
記事中にも「『足育』という言葉を知らない、聞いたことがない人が多数」という課題意識が示唆されています。どれだけ素晴らしい施設やサービスを作っても、その根幹にある価値(なぜ足裏を刺激することが子どもにとって良いのか)が顧客に伝わらなければ、単なる「少し変わった遊び場」としか認識されません。サービスの価値を正しく伝え、市場を啓蒙していくための継続的な情報発信やプロモーション活動が不可欠となります。

(5)事業アイデアを発想するための出題

  1. 貴社の主たる顧客の「付き添い人」(家族、パートナー、同僚など)は、サービス利用中にどのような「不便」「不満」「退屈」を感じているでしょうか?その隠れた課題を解決する新しいサービスを考えてみてください。
  2. 貴社の事業ドメインと、健康・教育・環境といった「社会貢献」のテーマを掛け合わせると、どのようなユニークな事業が生まれるでしょうか?自社の強みを活かして解決できる社会課題を起点に、アイデアを発想してみましょう。
  3. もし貴社が、全くの異業種(例えば、農業、エンタメ、金融など)の企業とたった一つだけ提携できるとしたら、どの業界と組みますか?その組み合わせによって、顧客にどのような新しい驚きと喜びを提供できるか考えてみましょう。

(6)経営者が実践すべき、新規事業開発に向けたアクション

今週中に、自社の顧客5名とその「付き添い人」5名に、「当社のサービスを利用している待ち時間や付き添いの時間で、もっとこうだったら良いのに、と感じることはありませんか?」という質問を投げかけてみましょう。
現場のリアルな声にこそ、次のビジネスのヒントが隠されています。まずは顧客とその周りの人々の「満たされていないニーズ」を具体的に把握することが、机上の空論ではない、血の通った新規事業開発への第一歩となります。

#盲点 #イオンファンタジー #足育 #顧客体験 #異業種連携

小島章裕

元・苦情係の企画参謀、発想力が強み。お客様の「なぜ?」を事業の未来に変えます。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を成功に導きます。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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