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顧客の「9割」が1年で離脱する市場。そこに眠る「面倒くさい」という名の巨大な金脈

もし、あなたの会社の新規顧客の【9割】が、1年以内に黙って消えていたら……。

これは、他人事ではありません。 経営者であれば、誰もが「リテンション率(顧客維持率)」を重要視しているはずです。しかし、今ある巨大な市場で、まさにその「静かなる顧客の蒸発」が起きています。

こんにちは。経営者のための社長参謀の小島です。

先日、日経MJに掲載されたある記事(2025/10/31付)が、業界に衝撃を与えました。 それは「ネットリサーチ」に関する調査です。

記事によれば、リサーチに協力してくれる「モニター」の【新規登録者】のうち、1年後も継続している人は、わずか【11.3%】。 つまり、実に9割近くが1年で離脱しているのです。

この事実は、単なる「リサーチ業界の問題」ではありません。 あらゆるビジネスの「死角」を突く、重大なヒントが隠されています。

今日はこの記事を深掘りし、あなたの会社が着手すべき「新しい事業の種」を見つけ出します。


「安く、早く、たくさん」が招いた顧客の蒸発

なぜ、9割もの人が去っていくのか。

原因はシンプルで、企業側が「あれもこれも聞きたい」と設問を詰め込みすぎた結果、モニター(顧客)の【回答負荷】が限界を超えたからです。

企業側は「安く、早く、たくさんの情報が欲しい」。 顧客側は「面倒くさい、時間がかかる、見返りがない」。

この需要と供給のギャップが放置された結果、何が起きたか。 顧客は、競合他社(B社のアンケート)に移ったのではありません。

「もうリサーチモニターなんてやらないよ」と、【市場そのもの】から去ってしまったのです。

これは、経営者として最も恐れるべき事態です。 顧客は文句を言いません。ただ、黙って消えていくだけです。

「我慢」で解決しようとする古いビジネス

この記事では、業界の解決策として「クライアント側がむちゃな大量設問を控えるように【自制】していく必要がある」と結論づけています。

確かに、それも一つの「業務改善」でしょう。

しかし、私たち経営者・企画者は、ここで思考を止めてはいけません。 顧客や企業が「我慢」や「自制」で解決しようとしている問題こそ、最大のビジネスチャンスだからです。

「面倒くさい」「負荷が高い」 その【痛み(ペイン)】こそが、新規事業のスタート地点です。

発想の逆転:「面倒くさい」を丸ごと引き受ける新事業

ここからが本題です。 この問題を「自制」ではなく、「事業」で解決する方法を考えましょう。

発想を【逆転】させるのです。

「どうやって顧客の負荷を減らすか?」ではなく、 「どうやって顧客の【面倒くさい】を【楽しい体験】に変えるか?」 「どうやって顧客の【負荷をゼロ】にするか?」

この視点に立つと、新しいサービスの形が見えてきます。

例えば、このリサーチ業界の問題を解決する新事業を考えるなら、どうでしょう。

  • 1.【エンタメ化事業】
    • 従来の無味乾燥な設問票を廃止します。
    • AIキャラクターとの【チャット(対話)形式】で、雑談のように回答が進むアプリはどうでしょう?
    • あるいは、回答プロセスそのものを【ゲーム化】し、クリアする達成感や、面白い分析結果が【即時フィードバック】される仕組み。
    • 「面倒な作業」が「楽しい時間」に変われば、顧客は離脱しません。
  • 2.【最小負荷システム事業】
    • そもそも「回答させる」こと自体をやめる発想です。
    • 例えば、顧客が許可した範囲で、スマホの利用ログや購買データから【AIが回答を自動生成】する。
    • 顧客は最後に「この理解で合っていますか?」と聞かれ、【YES/NOをタップするだけ】
    • これなら負荷はほぼゼロ。企業側も、より本音に近い(かもしれない)データを取得できます。

あなたの業界の「面倒くさい」は何か?

これはリサーチ業界だけの話ではありません。

社長、あなたの業界を見渡してください。 顧客が「面倒くさい」「時間がかかる」「分かりにくい」と【我慢】している手続きや作業はありませんか?

  • 飲食店の「複雑な注文プロセス」や「長時間の行列」
  • 不動産業界の「大量の契約書類」や「内見の手間」
  • BtoB(法人取引)の「煩雑な見積もり依頼」や「相見積もりの比較作業」
  • 行政手続き、社内申請、採用プロセス……

あらゆる場所に「面倒くさい」は転がっています。

顧客の『面倒くさい』は、競合がまだ気づいていない【金の鉱脈】です。

その「面倒くさい」を、テクノロジー、AI、あるいは全く新しいアイデアで【丸ごと引き受ける】サービス。 それこそが、今、顧客が本質的に求めている【価値】であり、あなたの会社が狙うべき【新しい市場】に他なりません。

あなたのビジネスの周りには、どんな「面倒くさい」が隠れていますか? ぜひ、コメントで教えてください。

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小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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