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手抜きへの「罪悪感」が、1兆円市場を制する突破口になる理由

はくさい、だいこん、キャベツ。
思考が袋小路に入ると、私は決まって書斎からキッチンに移動します。そして、ひたすら無心で野菜を切り、漬物容器に入れて浅漬けを作ります。

迷走している時間が長ければ長いほど、冷蔵庫の浅漬けは増殖していきます。だから妻は、冷蔵庫を開けるだけで私の「脳内の健康状態」が手に取るようにわかるそうです。「あ、今週は相当行き詰まってるな」と(笑)。 ただ、温かくなって春を迎えると、浅漬けに適した野菜が減ってきます。そろそろ次の「思考整理用の保存食メニュー」を考えなければいけないな、とキッチンで頭を悩ませている今日この頃です。

さて、そんな「冷蔵庫の野菜」や「家庭のキッチン」の話から、今日は皆さんの会社にも必ず眠っている「新規事業の特大ヒント」についてお話しします。

既存事業が頭打ちで、新しい一手を打ちたい。でも何から始めればいいかわからない。 そんな経営者の方へ。この記事を読めば、明日からお客様の「ある感情」を見る目が180度変わり、お金をかけずに新しいビジネスの種を見つける方法がわかります。

ニュースの深読みと「問い」

「完璧な商品」が、実はお客様を苦しめていた?

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先日、オイシックス・ラ・大地が展開する「かさ増し前提の冷凍食品(○○をたすだけシリーズ)」が大ヒットしているというニュース(日経MJ)を目にしました。

通常、冷凍食品といえば「レンジでチンするだけで完璧な味が完成する」のが正義です。メーカー側は、100点満点の味をそのまま届けるために心血を注ぎます。 しかし、オイシックスはあえて「未完成」の状態で商品を届けました。家庭の冷蔵庫に余っている豆腐や卵を足して、フライパンでひと手間かけてもらうことを「必須」にしたのです。

結果、販売数は半年で2倍。なぜこんなに売れたのでしょうか? タイパ(タイムパフォーマンス)が重視される時代に、あえて「手間」をかけさせたからです。

苦情対応部署で何千というお客様の声に向き合ってきた私からすれば、このヒットの理由は明白です。「お客様の切実な痛み(ペイン)」を、見事に解消したからです。

お客様が抱えていた痛み。それは、便利さの裏側にある「手抜きをしてしまったという家族への後ろめたさ」と、「冷蔵庫の余り物を腐らせてしまう罪悪感」でした。 オイシックスは、商品をわざと「引き算(未完成)」にすることで、お客様が「自分の愛情(ひと手間)」と「余り物」を足す「余白」を作ったのです。

ここに、中小企業が新規事業を作るための強烈なヒントがあります。 私たちはつい「自社の商品・サービスをどう完璧にするか」ばかりを考えてしまいます。しかし、お客様の声(特に痛みや罪悪感)こそが最大の経営資源なのです。

実践:明日からできる「泥臭い」第一歩

完璧を捨てて「余白」をデザインせよ

「なるほど、オイシックスはすごいな」で終わらせてはいけません。これを自社のビジネスに置き換える泥臭いアクションが必要です。

大企業のような莫大な開発予算がなくても、「引き算」なら明日からでもできます。まずは、自社の既存商品やサービスを見渡し、「あえてお客様にやってもらう部分」を作れないか、現場の社員と一緒に考えてみてください。

【小島流】「未完成」で売るための3つの問い

❶お客様が自社の商品を使うとき、どんな「罪悪感」や「後ろめたさ」を抱えているか?
❷お客様が「自分なりの一工夫(愛情やこだわり)」を入れる余白(引き算できる部分)はどこか?
❸自社の商品と、お客様が「捨てられなくて困っているもの」を掛け合わせられないか?

例えば、あえて最後の仕上げをお客様にやってもらう「半完成品のBtoB部材」や、あえてフォーマットだけを提供して中身は顧客に埋めさせる「コンサルティングツール」など、応用範囲は無限にあります。

おまけ:小島流「味変アイデア」

ちなみに…私ならオイシックスの事業にこれを足す

今回のオイシックスの事例、本当に素晴らしい目の付けどころです。ただ、「あるものを活かして、ないものを創る」のが信条の小島としては、もう一つスパイスを加えたくなります。

私なら、「限界野菜の救済・主役化プロジェクト」を仕掛けます。 「○○をたすだけ」シリーズはあくまでオイシックスの具材が主役ですが、逆に「しなしなになった白菜」や「使い道がなくて干からびそうな大根」を極上のメインディッシュに激変させるための「タレと魔法の粉だけ」のキットを売るのです。 名付けて「限界野菜レスキュー隊」。オイシックス側は完全に脇役に徹し、お客様の冷蔵庫の奥底にある「最も強い罪悪感(腐らせる寸前の野菜)」を劇的に成仏させる。これなら原価もさらに抑えられ、利益率の高い別シリーズが作れるかもしれません。

参謀からのエール

本記事のエッセンスは以下の3つです。

  • 100点満点の商品がお客様を幸せにするとは限らない。
  • お客様の抱える「罪悪感」や「後ろめたさ」にこそ、ビジネスの種がある。
  • あえて「引き算」し、お客様が参加する「余白」を作れ。

机上の空論で新規事業の計画書を作る暇があったら、明日、お客様が何に「罪悪感」を感じているのか、泥臭くヒアリングしてみませんか。 あなたの会社の現場に眠っている「痛み」を、ぜひ私に教えてください。一緒に汗をかきながら、その痛みを最強の武器に変えていきましょう。


 【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」

おはようございます。 私たちは日頃、お客様に「100点満点の完璧な商品やサービス」を届けようと一生懸命に汗を流しています。それは素晴らしいことです。 でも、今日だけは少し視点を変えてみてください。お客様は、もしかすると「自分なりのひと手間」を加える余白を求めているかもしれません。便利すぎることで、逆に「罪悪感」を感じているお客様はいないでしょうか? 今日は現場で、お客様がひた隠しにしている「ちょっとした後ろめたさ」や「不便さ」を探してみてください。その痛みの声にこそ、私たちの次の成長のヒントが隠されています。今日も一日、お客様の「本当の感情」に向き合っていきましょう!

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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