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「うちの犬が静かすぎる…」愛犬の異変で気づいた、お客様の「声なき痛み」をビジネスに変える

うちの愛犬が教えてくれた「見えない痛み」の怖さ

こんにちは、ウィッテムの小島です。

現在、我が家には生後10ヶ月の愛犬がいます。「生後」と書くと生まれたばかりのようですが、犬の10ヶ月は人間で言えば立派な成人。とはいえ、息子たちが二十代になり、それなりに大人になったことを考えると、犬の“成人”なんてまだまだ子供です。毎日、おてんばで家の中を走り回っています。

そんな愛犬が先日、少し体調を崩しました。 二、三日で回復したのですが、その間、それはそれは大人しくて……。普段なら「ちょっと静かにして!」と言いたくなることもあるのに、いざぐったりされると、夫婦二人して「どこが痛いの?」「何が辛いの?」とオロオロするばかり。

言葉を話せない家族の「見えない痛み」ほど、周りを不安にさせるものはありません。結局、普段のうるさいくらいのおてんばが、私たち夫婦の生活にはちょうどいいんだなと痛感しました。

実はこの「相手が痛みを発信できない(あるいは、しない)ことに対する、周囲の切実な不安」。これこそが、本日のテーマである「新規事業の最大の種」なのです。

「新規事業をやれと言われても、何から始めればいいか分からない」 そんな風に日々頭を悩ませている経営者の方へ。この記事を読めば、特別なAIや莫大な予算がなくても、あなたの会社の足元にある「見えない痛み」から、明日すぐに新規事業の第一歩を踏み出す方法が分かります。

なぜ「猫の病院嫌い」がビジネスになるのか?

今日取り上げたいのは、日経MJのこんなニュースです。

【ニュースの要約】 スタートアップ企業が動物病院との連携を深めている。猫は犬に比べて体調不良を隠す習性があり、さらに外出や移動のストレスが大きいため、動物病院に通う割合が極端に低い。 そこで、AIで猫の痛みを検知し、獣医師が「自宅に訪問」するサービス(ケアロジー)や、動物病院を買収して受診データを集め、機能性キャットフードの開発につなげる企業(ユニアム)が登場し、急成長している。

日経MJ2026/2/20

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お客様の「声なき痛み」にこそ、最大の経営資源がある

通販事業の苦情対応部署で、毎日お客様の怒りや悲しみと向き合ってきた私からすれば、このニュースは新規事業の「ど真ん中」を突いています。

「お客様の声(特に痛み)こそが、最大の経営資源である」

私は常々そう断言しています。 このニュースの素晴らしいところは、猫という「クレームすら言えない顧客」の代わりに、「病院に連れて行くのが可哀想で、面倒くさい」と諦めている飼い主の「摩擦(フリクション)」に目をつけた点です。

多くの中小企業の経営者は、新規事業というと「誰も見たことがない最新テクノロジー」や「全く新しい市場の開拓」を想像して萎縮してしまいます。

しかし、本質はそこではありません。 「本当は解決したいけれど、仕方ないと諦めている不便」をなくすこと。 お客様が「面倒くさい」「まあ、こんなもんか」と飲み込んでいる「サイレントなため息」の中にこそ、新規事業の宝の山は眠っているのです。猫の訪問診療は、まさにその「諦め」を「手軽さ」に変えたからこそ、たった1ヶ月で依頼が殺到したわけです。

実践:明日からできる「泥臭い」第一歩

「なるほど、痛みが大事なのは分かった。でも、うちには猫の痛みを検知するAIなんてないよ」

そう思われた社長。大丈夫です。ウィッテムのモットーは「あるものを活かして、ないものを創る」です。莫大な開発費など必要ありません。明日から予算ゼロでできる、泥臭い第一歩をお伝えします。

それは、現場の社員に「お客様が諦めていること」をヒアリングすることです。 営業担当、カスタマーサポート、店舗スタッフ。彼らは毎日、お客様の「小さなため息」に触れています。

以下のフレームワークを使い、明日の会議で現場に問いかけてみてください。

【小島流】「面倒くさい」を宝に変える3つの質問
❶「仕方ない」の発見
うちの商品やサービスを使う上で、お客様が「面倒だけど仕方ない」と諦めている作業はなんですか?
❷「前と後」の観察
うちのサービスを利用する「直前」と「直後」に、お客様はどんな面倒な行動をしていますか?(例:来店前の準備、購入後の片付けなど)
❸「言い訳」の抽出
お客様が商品を買わなかった時、あるいは解約した時の「本当は言いにくいであろう、裏の理由」は何だと思いますか?

クレームとして上がってくる声は、氷山の一角にすぎません。 本当に価値があるのは、クレームにすらならない「面倒くさい」です。現場の社員と一緒に、この「サイレントな痛み」を言語化できた瞬間、それが新規事業の企画書の1ページ目になります。

おまけ:小島流「味変アイデア」

ここで、私がもし今回の「猫の訪問診療ビジネス」に一枚噛むなら、どう「味変」するかを考えてみます。

獣医師が訪問する、素晴らしいモデルです。しかし、獣医師の数は限られていますし、移動コストもかかります。 私なら、「高齢者向けの訪問介護サービス」や「地域の郵便局・宅配業者」とアライアンス(提携)を組みます。

高齢の飼い主は、自分自身も外出が難しいため、さらにペットを病院へ連れて行けません。そこで、日常的に家を訪れるヘルパーさんや配達員さんに「ペットの簡単な異変チェックリスト(またはAIアプリでの撮影)」を託すのです。 「ついでに猫ちゃんの顔も撮っておきますね」 これで、日常のインフラをそのまま「ペットの初期診療ネットワーク」に変えることができます。「あるものを活かす」とは、こういうことです。ちなみに、これなら地域密着の中小企業でも明日から企画書が書けそうですよね。

参謀からのエール

本日のまとめです。

  • 新規事業は「画期的な発明」ではなく「見過ごされた痛みの解決」から生まれる。
  • お客様の「仕方ない」「面倒くさい」という諦めこそが最高のビジネスチャンス。
  • まずは現場の社員と一緒に、お客様の「サイレントなため息」を言語化しよう。

机上の空論でウンウン悩むのは、今日で終わりにしましょう。 あなたの会社の既存事業の周りには、必ずお客様の「痛み」が落ちています。

「うちの業界の『痛み』がどこにあるか分からない」 「現場の声をどうやって引き出せばいいか迷っている」

そんな時は、ぜひ私に声をかけてください。隣で一緒にコーヒーでも飲みながら、あなたの会社の「あるもの」を探し出し、泥臭く伴走します。一緒に汗をかきましょう。


 【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」

(※この記事を読んだ翌日、社長が社員に向けて語るためのスピーチ原稿です。自由にアレンジしてお使いください。)

「おはようございます。 最近、猫専門の『自宅に獣医さんが来てくれるサービス』が大ヒットしているそうです。なぜか?猫は痛みを隠すし、病院に連れて行くのが飼い主にとって『ものすごく面倒でストレス』だからです。

これって、私たちの仕事も同じじゃないでしょうか。 お客様は、わざわざクレームを言ってくれません。『面倒くさいな』『使いにくいな』と思っても、黙って我慢するか、よそへ行ってしまいます。

だからこそ、皆さんにお願いがあります。 今日一日、お客様が発する『ちょっとしたため息』や『面倒くさそうな顔』を見逃さないでください。お客様が諦めている『仕方ない』の中にこそ、我々の次の大きなビジネスの種が隠れています。ぜひ、気づいたことがあればどんな小さなことでも私に教えてください。今日も一日、よろしくお願いします!」

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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