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AI時代は「予定調和」? ビックカメラに学ぶ、顧客すら気づかない「欲」

ホームセンターが好きです。

休日に足を運び、店内をぐるぐる回りながら「こんな便利な物があるんだ」「こんなプロ仕様の工具まで売っているんだ」と眺めているだけで、あっという間に時間が過ぎてしまいます。最近はDIYで木のフェンス作りに没頭していたこともあり、ますますホームセンターの陳列棚にワクワクさせられっぱなしです。

なぜ、あんなにワクワクするのか。それは「これを使えば、あの面倒な作業がラクになるかも!」という、自分でも気づいていなかった「欲」が刺激されるからです。

実は、この「ワクワク」こそが、今のビジネス、特に私たち中小企業が新規事業を考える上で最大のヒントになります。

「新規事業が必要なのはわかっているが、何から手を付ければいいかわからない」 「高尚な理論ではなく、明日から使える手立てが知りたい」

今日は、そんな風に日々の業務に追われながらも、会社の先行きに真剣に向き合っているあなたへ。ある大手家電量販店のニュースを題材に、「予算ゼロからでも始められる、泥臭い新規事業の見つけ方」をお話しします。この記事を読み終える頃には、自社の現場に眠る「宝の山」の掘り起こし方が見えているはずです。

AI時代の「予定調和」を超える、泥臭い戦い方

まずは、こちらのニュース記事のポイントを少しだけ共有させてください。

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ビックカメラが、新しいプライベートブランド「ビックアイデア」を発表しました。彼らが目指すのは、単なるナショナルブランドの廉価版ではありません。秋保社長は、ECサイトやAIの進化で買い物が効率化された結果、「効率化の先にあるのは予定調和だ」と危機感を語っています。

そこで彼らが始めたのが、「乾燥機を使う人のためのタオル」の開発です。家電量販店がタオル?と驚くかもしれませんが、発端は消費者の「タオルのにおい」や「吸水力の低下」という日々の不満(痛み)でした。現場の精鋭販売員が顧客の声を拾い上げ、メーカーと協業して課題を解決する商品を作る。これが彼らの戦い方です。

このニュース、中小企業の経営者にとって非常に重要な示唆を含んでいます。

私はかつて、通販会社の苦情対応係としてキャリアをスタートさせました。毎日毎日、お客様のお叱りや「なぜこうなっていないの?」という切実な声に向き合い続ける、まさに泥臭い現場です。その経験から、私はひとつの確信を持っています。

それは、「お客様の声、特に『痛み』こそが最大の経営資源である」ということです。

AIを使えば、効率的なデータ分析や無難な最適解はすぐに出る時代です。しかし、「タオルが臭くて嫌だ」「乾燥機にかけるとすぐダメになる」といった、生活者の生々しい痛みや、言葉にならない不便さは、現場で人間同士が向き合わないと拾えません。人の痛みに寄り添う泥臭さの中にこそ、他社が気づかないビジネスの種があるのです。

明日からできる「泥臭い」スタート:現場の声を宝に変える

「じゃあ、うちの会社はどうすればいい?」と思われましたよね。 大規模な市場調査や、コンサルタントを入れた立派なプロジェクトチームは必要ありません。明日から、お金をかけずにすぐできるアクションがあります。

それは、「現場の最前線にいる社員に、ちょっと違った角度の質問をする」ことです。

アンケート用紙を配るのではなく、コーヒーでも飲みながら、あるいは雑談のついでに、以下の「小島流フレームワーク」を現場の社員に投げかけてみてください。

小島流「痛みの発掘」3つの問い
❶「最近、お客様から『ちょっと面倒くさいんだけど』と言われたことはない?」
クレームの一歩手前の「ぼやき」にこそ、真のニーズが隠れています。

❷「うちの商品・サービスを使う『前』と『後』で、お客様がわざわざやっているひと手間って何だろう?」
そこに、自社が提供できる新しい価値のヒントがあります。

❸「ぶっちゃけ、自分が客だったら『うちのここがイケてない』と思うところはどこ?」
社員の率直な「不満」は、プロセス改善や新サービス直結のアイデアです。

机上の空論をこね回すより、現場に落ちている「小さな不満」を拾い集める。そこから「あるものを活かして、ないものをつくる」のが、ウィッテム流の実践的な事業開発です。

おまけ:小島流「味変アイデア」

ちなみに……今回のビックカメラの「欲の窓口」、私ならさらにもう一歩踏み込んで、こんな仕掛けを提案します。

店頭のPB商品の横に、「立候補!私ならもっとこう使う!」という挑戦的なポップをドンと貼り付けるんです。メーカーが想定したお行儀の良い使い方に対して、消費者が「いやいや、ビックさん。私ならこう使いますよ」と物申すスタイルで、独自の裏技やマニアックな使い方を逆提案してもらう企画です。

立候補するお客様には、実際に使っている様子を自分で撮影し、動画で提案してもらいます。「家電屋も想定外だったタオルの神用法!」なんていうユーザー目線のリアルな使い方は、TikTokなどのショート動画でも間違いなくバズるはずです。

企業が会議室で頭をひねってプロモーションを考えるより、「商品を使い倒しているお客様の熱量とアイデア」をそのままエンタメにしてしまう。これこそ、最高に泥臭くて強いマーケティングだと思いませんか?

参謀からのエール

今回のまとめです。

  • 効率化の先には予定調和しかない。驚きは作れない。
  • お客様の「痛み」や「不便」にこそ、新規事業の種がある。
  • その種は、予算ではなく、現場との泥臭い対話から見つかる。

事業の柱を新しく作るのは、決して簡単ではありません。しかし、あなたの会社にはすでに「現場」があり「お客様の痛み」を知る社員がいます。それが最大の武器です。

一人で悩む必要はありません。机から離れて、一緒に泥臭く現場の汗をかきましょう。 あなたの会社が抱える「痛み」や、お客様の「ぼやき」、ぜひ私にも教えてください。

社長参謀・小島


【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」

おはようございます。 今朝は、皆さんにひとつお願いがあります。

今日一日、お客様と接する中で、お客様がふとこぼす「面倒くさいな」「ちょっと不便だな」という小さな不満やぼやきに、耳を澄ませてみてください。

私たちは、ただ今ある商品やサービスを提供しているだけではありません。私たちの本当の仕事は、お客様の困りごとを解決し、もっと喜んでいただくことです。

皆さんが現場で感じ取る「小さな気づき」こそが、これからのうちの会社を創る最大の宝物になります。どんな些細なことでも構いません。気づいたことがあれば、ぜひ私に教えてください。今日も一日、よろしくお願いします!

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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