今朝、ふと考えました。我々中小企業の経営者は、いつから「最大公約数」の正解ばかりを探すようになってしまったのでしょうか。「みんなが欲しがるもの」を作ろうとして、結局「誰の心にも刺さらないもの」を量産していないか。
これからの時代、経営者が信じるべきは、市場調査のデータではなく、目の前の一人が放つ「理屈抜きの好き」なのかもしれません。
この記事を読み終えたとき、あなたは「市場の正解」を探す痛みから解放され、自分の中にある「とがった確信」を形にするワクワクに変わっているはずです。
記事の要約
【要約】 昭和産業が発売した「酒の肴」になるホットケーキミックスが、計画比2.5倍の20万個という驚異的な売れ行きを見せている。タレントの堂本剛氏の「薄くて小さいのが好き」という個人的なこだわりを100%反映し、「甘くて分厚いスイーツ」という業界の固定観念を打破。時短調理や酒のつまみ、ホームパーティー需要という新市場を、個人の深いインサイト(偏愛)を羅針盤にすることで開拓した事例である。 出典: 日経MJ 2026/4/24「酒に合うホットケーキ、堂本剛さんと」

3つのポイント
- 「たった一人」の熱狂を信じる: 1億人のアンケートより、1人のマニアの「これしかない」を形にする。
- 負の解消を価値に変える: 「2枚目を焼く間に1枚目が冷める」という小さな不満を、薄型化と時短で解決。
- 模倣不能な「とがり」を作る: 大手が二の足を踏むほど極端な設計が、逆にSNSでの強力な武器になる。
ニュースの裏側にある「顧客の痛み」
苦情対応の現場にいた私には、このニュースが単なるタレントコラボには見えません。これは、消費者が抱えていた「既製品に自分を合わせる窮屈さ」という痛みの解放です。
「ホットケーキは甘くなければならない」「朝食や子供のおやつであるべきだ」……。こうした業界の勝手な思い込みが、実は顧客の「夜に少しだけ、塩っぱいものが食べたい」という小さな、けれど切実な欲求を無視し続けてきたのです。
中西氏ら開発チームが、たった2人で社内の反対を押し通したという点に注目してください。
「常識」という名のブレーキを踏んでいるのは、競合他社ではなく、実は社長、あなた自身の「失敗への恐怖」かもしれません。
成熟市場において、隙間(ニッチ)は探すものではなく、個人の熱量でこじ開けるものなのです。
実践:明日から現場ですぐにできること
大掛かりな新商品開発は不要です。まずは、あなたの会社の中にある「とがった種」を探しましょう。
- 「社内一のマニア」を呼び出す: 社員の中に、自社製品やサービスについて「本当はもっとこうしたい!」と熱く(あるいは呆れられるほど)語る人間はいませんか? その「偏愛」を笑わずに、一対一で聞いてみてください。
- 「あえて、しない」を決める: 「甘くない」「分厚くない」……。昭和産業のように、これまでの「当たり前」を一つ捨ててみる。何を捨てるかを決めると、残った価値が光り出します。
- 「3分」の贈り物: 顧客の時間を奪っていないか? 昭和産業が焼き時間を半分にしたように、あなたのサービスで「待ち時間」を劇的に減らせるポイントを1箇所だけ探し、改善してください。
小島流・偏愛インサイト抽出法
- 顧客の中で、最も「うるさい(こだわりが強い)」人は誰か?
- その人が「自分のためだけに作ってくれ」と言ったら、何を作るか?
- それを形にする際、社内のどの「常識」を壊す必要があるか?
おまけ:味変アイデア
もし私が一宮の駅前で仕掛けるなら、ホットケーキミックスを「缶」に詰めて自販機で販売します。
仕事帰りの夜、ふと猛烈にホットケーキが食べたくなる瞬間はありませんか? スーパーに行くのは面倒、でもこの衝動は抑えられない。そんな時、駅のホームの自販機で「ホットケーキミックス缶」をサッと買い、帰宅。缶を開けたら、そのままフライパンに流して焼くだけ。
「利便性」を超えた「衝動への即応」。これこそが、偏愛者が求める究極のユーザー体験です。
社長参謀からのエール
昭和産業の事例は、私たちに教えてくれています。 「万人受け」を狙って削ぎ落とした先に待っているのは、価格競争という地獄だけです。
逆に、誰か一人の「これが好きだ!」という魂の声に寄り添ったとき、商品は勝手に歩き出し、熱狂的なファンを連れてきてくれます。
最後に、あなたに問います。
あなたが今日まで「そんなの売れるわけがない」と切り捨ててきた、社員や顧客の『わがまま』の中に、次の10年を支える宝が眠っていませんか?
その宝、一緒に掘り起こしに行きましょう。泥臭く、現場で、共に汗をかきながら。




























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