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【議題283】「社長、うちも他社みたいに安売りしないと、お客さんを取られますよ」

現場の社員から突き上げられ、日々の業務に追われて未来を描く時間がない。自分の想いが社員になかなか届かない。そんな焦りの中で、一人眠れぬ夜を過ごしている経営者はあなただけではありません。私自身、創業からの25年間、数多くの社長たちと同じ悩みを抱え、泥まみれになりながら最適解を探し続けてきました。

この記事を読み終えたとき、あなたは「価格競争」への痛みが、自社の価値を磨くワクワクに変わっているはずです。

記事の要約

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【出典】 日経MJ(2026/5/18):「(リテール地殻変動)大阪も特売なしでオーケー? 進出1年半 「毎日安い」で関西勢と火花 ドンキは総菜勝負で250円丼」

【要約】 特売文化が根強い大阪の食品市場に、関東勢のオーケーとドン・キホーテが「EDLP(エブリデー・ロー・プライス=毎日安売り)」で挑んでいます。オーケーは特売チラシを廃止しつつも、ご当地総菜などで「大阪化」を進め、「いつ来ても損しない安心感」を醸成。ドンキは「250円丼」など激安でボリュームのある総菜を武器に遠方からも客を呼ぶ新戦略に出ました。資本力と独自の工夫で、買い回り文化の牙城を崩しつつあります。

【3つのポイント】

  • 「点」の特売から「線」の安心感へ: 毎日安いことで「店選びの迷い」をなくす戦略。
  • 徹底したローカライズ: 独自のスタイルは崩さず、地域に愛される商品(粉もん等)は柔軟に取り入れる。
  • 強みの極端な一点突破: ドンキの「総菜」のように、集客のフックとなる絶対的な目玉を作る。

ニュースの裏側にある「顧客の痛み」

深読み:消費者は「安さ」に疲弊している

この記事を「大手スーパーの価格競争」という表面的な事象で片付けてはいけません。ここから読み解くべきは、「人間の普遍的な欲求や痛み」の変化です。

特売チラシを握りしめ、スーパーを5軒はしごして1円でも安い大根を買う。確かにそれはかつての美徳でした。しかし現代の消費者は、共働きや時間の制約の中で、「特売に合わせて店を買い回り、献立を考える」という時間と認知の消耗に深く疲弊しています。

参謀の視点:クレームの最前線で見た「信頼」の正体

私はかつて、苦情対応部門の最前線で数え切れないほどのお客様の怒りと向き合ってきました。クレームの多くは、商品そのものではなく「期待と現実のズレ」から生まれます。特売チラシは、一時的に期待を煽り集客する劇薬ですが、お客様に「今日は何が安いのか」という緊張感を強いるものでもあります。

オーケーが提示した「いつ来ても損しない安心感」は、この緊張感からの解放です。「あそこに行けば大丈夫」という無意識の信頼こそが、お客様の痛みを癒やす処方箋なのです。

お客様が本当に欲しいのは「1円でも安い商品」ではなく、「選ぶ疲れや迷いから解放される安心感」なのです。

実践:明日から現場ですぐにできること

スモールステップ:まずは社員への「一言」から

予算も会議も不要です。明日、現場で頑張る社員にこう声をかけてみてください。

「うちのお客さんが、自社のサービスを使うときに一番面倒くさがっていること(考えてしまっていること)って何だろう?」

売上をどう作るかではなく、お客様の「面倒」をどう引き受けるか。その泥臭い対話から、大手が入り込めない独自の強みが見えてきます。

小島流フレームワーク

思考を整理し、自社の強みを再構築するためのヒントです。

【小島流・安心感リビルド思考】
引き算の問い
: 業界の当たり前(例:特売チラシ、過剰な選択肢)を思い切って止めたら、浮いた時間とコストで何ができるか?
局地戦の問い: 大手には真似できない、超局地的な「地域・個客の好みの偏り(オーケーの大阪化のようなもの)」はどこにあるか?
一点突破の問い: お客様が「これがあるからあの会社にお願いしよう」と思える、たった一つの絶対的な強み(ドンキの250円丼)は何か?

おまけ:味変アイデア

発想の転換:「きょうの百均」で買い物をエンタメ化する

実は私、スーパーが大好きなんです。コンビニですぐ買えるようなものでも、わざわざスーパーに行って少しでも安く買おうとする。でも、いざ売り場を歩いていると「あ、これも美味しそう」「あれも必要だったな」と、逆にあれもこれもカゴに入れてしまい、レジに行ったら結構な金額になっていた……なんてことがよくあります。

もし私がストリートプランナーとしてスーパーの売り場をプロデュースするなら、この「ついついカゴに入れてしまう心理」を逆手に取って、店内に「きょうの百均」コーナーを特設します。

その日限定で100円で買える商品をあえて品揃えしておくのです。「100円なら試してみようか」と、普段なら絶対に買わないような商品を手に取ってもらうきっかけを作ります。特売で利益を削るのではなく、ワンコインというハードルの低さを利用して「新しいお気に入り(定番商品)」を見つけてもらう。買い物の「迷い」を減らす一方で、こうした「ちょっとした冒険」をデザインすることもまた、お客様との新しい関係性の作り方です。

社長参謀からのエール

最後に、一つだけ問いかけさせてください。

あなたが明日から必死に守り抜くべきものは、競合に負けない「商品の安さ」ですか? それとも、自社を選んでくれる「お客様の心の平穏」ですか?

経営は時に孤独で、正解のない暗闇を歩くようなマラソンです。しかし、あなたは決して一人ではありません。迷ったとき、立ち止まりそうになったときは、いつでもここ一宮に会いに来てください。

共に汗をかきましょう。

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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