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今夜のテーマは「財布の紐を握る黒幕は誰か」です。実は、商品を「買う人」と「選ぶ人」は違うことが多いという事実、皆さんは意識されていますか。私の息子が無印良品でアルバイト中に感じた「テレビの影響力」と、最新の「女子中高生の推し活・シャンプー消費」に関するデータを紐解きながら、中小企業が見落としがちな「真の決裁者」の正体に迫ります。BtoBもBtoCも関係ありません。売上が伸び悩んでいるなら、もしかしたらアプローチする相手を間違えているのかもしれません。明日からの営業トークが劇的に変わる、目からウロコの視点をお届けします。経営者の皆さん、今夜も少しだけ脳みそに汗をかきましょう。
中小企業の経営者の皆様、こんにちは。
ウィッテムの小島です。
日々の現場、お疲れ様です。 今日は、私のプライベートな出来事と、最新のマーケティングデータ(新聞記事)を掛け合わせて、「御社の商品の『本当の買い手』は誰なのか?」という話をさせてください。
これ、意外と見落としている「売上の穴」なんです。
テレビのリモコンと、現場のリアル
先日、実家に大学生の次男が帰ってきました。 選挙の投票のために帰省していたんですが、彼、いま無印良品でアルバイトをしているんです。
久しぶりに顔を合わせて、何気ない会話をしていたときのこと。 彼がふと、スマホを見ながら呟きました。
「あ、今晩バラエティ番組で無印が特集されるわ。……うわー、明日のバイト、めちゃくちゃ忙しくなるなこれ」
私は少し驚きました。 正直、私自身はテレビをほとんど観なくなりましたし、若い世代なら尚更「テレビ離れ」が進んでいると思い込んでいたからです。
「え、まだそんなにテレビの影響ってあるのか?」と聞くと、彼は当然のように頷きます。 「あるよ。放送された翌日は、その商品の棚が空っぽになるくらいお客さんが来るから」
なるほど、と唸りました。 私たちはつい、自分の感覚で「今の時代はSNSだ」「テレビなんて誰も見ていない」と決めつけがちです。しかし、現場(店舗)では、確実に「テレビを見た」という動機で足が動いている。
この「思い込み」と「現実」のズレ。 実はこれ、今日のテーマである「誰が商品を欲しがって、誰がお金を払うのか」という問題に深く関わっているんです。

「推し活」女子と「シャンプー」の意外な関係
さて、ここで今朝の日経MJの記事を見てみましょう。 中高生の消費動向に関する面白いデータが出ていました。
中高生女子、小遣いで推し活6割
中高生の女子の約6割が、お小遣いを「推し活(グッズやCD)」に使っている。一方で男子は3割未満。
日経MJ 2026/1/30
ここだけ読むと、「へえ、女子は推し活にお金を使うんだな」で終わってしまいます。 しかし、私が注目したのはそこではありません。記事の後半にある、このデータです。
自分でブランドを選択し親が購入している商品群
「シャンプー・トリートメント」が最多で59%。特に女性の約7割が回答。
日経MJ 2026/1/30
ここ、テストに出るくらい重要です(笑)。
「財布」と「決定権」の分離
中高生、特に女子高生は、自分のお小遣い(可処分所得)は「推し活」や「お菓子」に全振りしています。 では、生活必需品であるシャンプーや文房具はどうしているか?
「お金は親に出させる。でも、選ぶのは私(自分)。」
これが今の消費のリアルです。 私の息子の無印良品の話も同じ構造かもしれません。テレビを見て「これ良さそう!」と騒ぐのは子供や若者。そして「じゃあ買っておこうか」と財布を開くのは親世代。
中小企業が陥る「ターゲット設定」の罠
私たち経営者は、つい「お金を払ってくれる人(決済者)」に向けて広告や営業をしてしまいます。 例えば、美容室や日用品販売で「40代〜50代の主婦」をターゲットにチラシを撒くとします。
でも、その家庭のシャンプーを決めているのが、実は「女子高生の娘さん」だとしたら? 「お母さん、このシャンプーおじさん臭いからイヤ。YouTubeで見たアレにして」 この一言で、お母さんは商品を切り替えます。
つまり、お金を払う人と、心をつかむべき人が別々であるというケースが、家庭内消費では頻繁に起きているのです。
苦情対応をしていた頃、よくありました。「使いにくい!」と電話をかけてくるのは、実際に使っている現場の方やご家族。でも、購入を決めたのはスペックしか見ていない社長や家長。 「使う人の痛み」や「使う人の好み」を無視して、「買う人」だけを見て商売をすると、いつの間にか選ばれなくなってしまうのです。
4. 実践:明日からできる「泥臭い」第一歩
では、資金力のない私たち中小企業はどうすればいいか? 大手のようにテレビCMは打てませんし、インフルエンサーに依頼する予算も厳しいでしょう。
明日からできる、0円の対策があります。
「誰が決めたの?」作戦
店舗や営業現場で、お客様(決済者)にこう聞いてみてください。
「これ、どなたが『欲しい』って仰ったんですか?」 「ご家族のどなたが一番使われますか?」
もし、学習塾の経営者なら、親御さんへの説明だけでなく、実際に通うお子さんが「ここなら行きたい(推せる)」と思える要素があるか。 もし、住宅リフォームなら、資金を出すご主人だけでなく、毎日キッチンに立つ奥様や、自分の部屋を欲しがるお子さんの「推しポイント」を作れているか。
【小島流:隠れた決定権者を見つける3つの問い】
❶「代理購買」ではないか?
(そのお客様は、誰かの「パシリ」で買いに来ていないか?)
❷「情報源」はどこか?
(その商品は、お客様自身が見つけたのか、家族に「これ買って」とLINEで送られてきたのか?)
❸「拒否権」は誰にあるか?
(社長が良いと言っても、現場が「使いにくい」と言えば解約されるリスクはないか?)
私の息子の話に戻れば、無印良品がテレビで特集されたとき、おそらく多くの家庭で「これ便利そう!お母さん買ってきて!」という会話が生まれたはずです。 情報の入り口はテレビやYouTube(子供)、出口は財布(親)。
この情報の「入口」と「出口」の動線を、自社の商品で一度なぞってみてください。 意外なところに、御社の商品の「真のファン」が隠れているかもしれません。
参謀からのエール
「テレビなんて古い」「子供は金を持ってない」 そんな思い込みを捨てて、現場の「声」と「お金」の動きをじっと観察しましょう。
見えているお客様の背後に、本当の「ボス(決定権者)」がいるかもしれません。
「うちはBtoBだから関係ない」と思われた社長、BtoBこそ「使う現場」と「決裁する上層部」の乖離が激しい市場ですよ。 ぜひ一度、御社の「見えない顧客」について、一緒に汗をかいて考えませんか?
【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」
(※明日の朝礼で、そのまま読んでみてください)
おはようございます。 今日は一つ、みんなにお願いがあります。
普段、接客や営業をしている時、「目の前のお客様の『後ろ』に誰がいるか」を想像してほしいんです。
例えば、お母さんが買い物をしている時、その商品は家で待っている娘さんに頼まれたものかもしれない。 社長さんが契約書に判を押す時、現場の社員さんが「あの会社にしてくれ」と頼み込んだのかもしれない。
お金を払う人と、商品を選ぶ人が違うことはよくあります。 「誰のために、これを買っているんだろう?」 その一言をお客様にかけてみるだけで、もっと深い提案ができるはずです。 今日は「お客様の背後にいる本当のファン」を意識して仕事をしましょう。























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