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「競合商品を一番目立つ場所に置け」という、狂気と正気のマーケティング

出張先のホテルで気づいた、「自社推し」ばかりする会社が嫌われる本当の理由

こんにちは、ウィッテムの小島です。

私は仕事柄、全国への出張が多いのですが、移動中の「口寂しさ」ってありますよね。 新幹線の車内、ついつい売店でパンやお菓子を買い込んで食べ続けてしまう……。これをやると、あっという間に出張太りします。

その対策として、最近の私の相棒は「大粒のミンティア」です。 小粒だとすぐなくなって物足りないんですが、大粒だと満足感があって、無駄食いを防げる。私にとっては、単なるお菓子ではなく「体重管理のパートナー」なんです。

……と言いつつ、ビジネスホテルにチェックインした後、近所のスーパーでご当地グルメを買い込み、部屋で一人宴会をするのが至福の時間なんですが(笑)。結局、食べてますね。

さて、なぜこんな話をしたかというと。 私がミンティアを選ぶのは、メーカーが「一生懸命作ったから」ではありません。「私の口寂しさを解消し、太りたくないという痛みを取り除いてくれるから」です。

今日ご紹介するニュースは、そんな「相手の都合(痛み)」を徹底的に考え抜いたことで、大手を出し抜いた中小・中堅メーカーの痛快な事例です。

「自社推し」をやめたら、売上が3倍になった

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皆さんの会社では、営業先に「うちの商品はこんなに素晴らしいんです!」と熱弁していませんか? 実はそれ、相手にとっては「雑音」かもしれません。

今回取り上げるのは、お菓子メーカーの「カバヤ食品」。 「ジューC」や「セボンスター」で有名な岡山発祥の企業です。売上規模で言えば、カルビーやロッテの10分の1ほど。真正面から殴り合っても、資本力で負けてしまいます。

しかし、カバヤはある戦略で、新商品「しゃりinグミ」を計画比3倍売り上げました。 その戦略とは、「競合他社の商品も、一番いい棚に並べるよう提案する」ことでした。

小売店の「痛み」はどこにある?

通常、メーカーは小売店(スーパーやドラッグストア)に対して、「自社の商品を一番目立つところに置いてくれ」と頼みます。これは「自社の都合」です。

しかし、カバヤは違いました。 彼らは小売店の「痛み」に注目したのです。小売店の痛み、それは「棚全体の売上が伸びないこと」や「人手不足で棚割りを考えるのが面倒なこと」です。

そこでカバヤはこう提案しました。 「御社の売上を最大化するために、一番売れる棚(ゴールデンライン)には、他社さんの売れ筋商品も並べましょう。その横に、ついで買いを誘うカバヤの商品を置きましょう」

これは「トレードマーケティング」と呼ばれる手法ですが、理論はどうでもいいんです。重要なのは、「自社を主語にせず、相手(小売店)の利益を主語にした」という点です。

私は元々、通販会社の苦情対応部署にいました。そこでは毎日、お客様の「不満」や「痛み」と向き合ってきました。 だからこそ断言できます。 ビジネスの種は、常に「相手の痛み(困りごと)」の中にしかありません。

あなたの会社は「お願い営業」か、「参謀営業」か

中小企業の多くは、素晴らしい技術や商品を持っているのに、「買ってください」というお願い営業をしてしまいます。

  • 「性能が良いんです」
  • 「こだわっているんです」
  • 「創業〇〇年の伝統があるんです」

これらは全て「I(私)」が主語の言葉です。

一方、カバヤのような参謀営業(私が勝手にこう呼んでいます)は、「You(あなた)」を主語にします。

  • 「御社の棚の利益率を上げるには…」
  • 「御社の客層が求めているのは…」
  • 「御社の手間を減らすためには…」

カバヤの担当者は、自社商品のアピールではなく、「どうすればその店が儲かるか」というコンサルティングを行ったのです。その結果、信頼を勝ち取り、自社商品もしっかり売れるポジションを獲得しました。

これは、私たち中小企業こそが真似すべき戦い方です。 莫大な広告費(ブランドマーケティング)をかけられない私たちは、現場で顧客(取引先)の懐に入り込み、「あなた以上に、あなたの利益を考えてくれるパートナー」になるしかないのです。

明日からできる、泥臭い「第一歩」

では、具体的に明日から何をすればいいのでしょうか。 コンサルタントとして、すぐに使える「小島流アプローチ」を提案します。お金はかかりません。必要なのは「聞く勇気」だけです。

ステップ1:商談での「最初の言葉」を変える

いつもの商談で、商品パンフレットを開く前に、こう聞いてみてください。

「ぶっちゃけた話、〇〇さん(取引先担当者)がいま一番頭を抱えていることって何ですか? うちの商品とは関係ないことでも構いません」

ステップ2:自社商品を「解決策の一部」として再定義する

聞いた悩みが「人手不足」なら、商品を売るのではなく、「納品形態を変えて陳列の手間を省く提案」ができないか? 悩みが「客単価の低下」なら、商品を売るのではなく、「他社商品とセットでどう見せるかという売り場の提案」ができないか?

ステップ3:提案書を「相手へのラブレター」にする

提案書の表紙タイトルを、「新商品説明」から「御社の〇〇(課題)を解決する緊急のご提案」に変えてください。

カバヤの玩具菓子「セボンスター」も、大人向けの高級路線(3万円!)を打ち出し、親世代を巻き込むことで「話題性」という武器を小売店に提供しました。これも、商品を売っているようで、実は**「店に客を呼ぶネタ」**を売っているのです。

参謀からのエール

「お客様の声(特に痛み)こそが最大の経営資源」 これが私の信念です。

カバヤの成功は、魔法ではありません。 「売りたい」というエゴを一度脇に置き、徹底的に「相手を勝たせる」ことに徹した結果です。

あなたの会社の商品が、取引先の、そしてその先にいるお客様の「どんな痛み」を癒やせるのか。 今一度、一緒に考え直してみませんか?

もし、「自社の強みをどう『相手の解決策』に変換すればいいか分からない」という場合は、いつでもウィッテムにご相談ください。私が御社の「参謀」として、一緒に現場で汗をかきます。


【付録】明日の朝礼で使える「30秒メッセージ」

(※ここから下は、社長であるあなたが、明日の朝礼で社員に語りかけるための原稿です。自分の言葉にアレンジして使ってください)


おはようございます。 今日はみんなに、意識を変えてほしいことが一つあります。

それは、「商品を売るのをやめよう」ということです。 …驚いた顔をしないでください(笑)。売るのを諦めるわけではありません。

「これを買ってください」とお願いするのではなく、 お客様が今、何に困っているのか、何に「痛み」を感じているのか。 それを解決するために、うちの商品をどう使えばいいか。 それを考える「解決屋」になってほしいんです。

お菓子メーカーのカバヤは、ライバル商品を一番いい棚に並べる提案をして、結果的に自社の売上を3倍にしました。それは「お店の売上アップ」という問題を解決したからです。

うちのお客様が抱えている「痛み」は何だろう? 今日一日は、そのことだけを考えて営業してみてください。 お客様の「困った」を解決できた時、売上は後から必ずついてきます。 今日も一日、相手のために知恵を絞っていきましょう!

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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