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過去の栄光を捨てて売上を伸ばす!京都の老舗に学ぶ「第二創業」の進め方

普段、名古屋を拠点に全国のクライアント先へ足を運んでいますが、出張先で時折、妙な「違和感」を覚えることがあります。

駅前や観光地に並ぶ、いかにも「観光客向け」に作られた施設やご当地グルメ。パッケージはおしゃれで味も悪くないのですが、どこか上滑りしているような感覚です。本来、ご当地モノというのは、その土地で暮らす人たちの泥臭い生活感や、長く愛されてきた文化があってこそ心に響くもの。私個人としては、綺麗にパッケージされたものより、地元の人がサンダル履きで通うような食堂の定食にこそ、圧倒的な魅力を感じます。

なぜ、急にこんな話をしたのか。

実はこれ、今の多くの中小企業が抱える「既存事業の限界」と全く同じ構造だからです。外向けの「それっぽい」見せ方に終始し、本来の「お客様の生々しい生活の痛み」から遠ざかっていませんか?

「新規事業が必要なのは分かっているが、何から手をつければいいか分からない」 そんな風に日々の業務に追われている経営者の方へ。今回は、ある老舗企業の「劇的な自己否定」から、明日から皆さんの会社で使える新規事業のヒントを探ります。高尚な理論ではなく、泥臭く使える手立てをお渡しします。

「作られた強み」は通用しない。よーじやの自己否定に学ぶ

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日経MJのトップインタビューで、京都の老舗「よーじや」の国枝社長が語った言葉が非常に印象的でした。よーじやと言えば「あぶらとり紙」であり「京都土産」の代名詞ですが、彼らは今、その過去の成功体験を全力で壊しにかかっています

「観光に依存すると、自分たちの努力で売り上げがつくれません」 「あぶらとり紙ブームは偶然で、ブランド力はあっても理念がなかった」

日経MJ2026/2/16

これ、自社の看板商品をここまで客観視して斬り捨てられる経営者は、そう多くありません。

ウィッテムも2026年で創業25年を迎え、私自身「第二創業」として自社のあり方を根底から見直している真っ最中ですので、この「過去のヒットにすがらない」という覚悟には、首がもげるほど頷きました。

観光客向けの「京都ブランド」に依存せず、地元民が通う十割そばの店を出店し、日常的に使えるスキンケアブランドへと舵を切る。アンチの声を恐れず、60年ぶりのキャラクター変更まで断行する。

ここから読み取れる本質は、「自社が売りたいもの」から「顧客の痛み(課題)の解決」への原点回帰です。

よーじやの原点は、あぶらとり紙という「モノ」ではありません。「舞台役者さんの顔のテカリを抑えたい」という切実な痛みを解決したことだったのです。時代が変わり、お客様の生活様式が変われば、解決すべき痛みも変わります。かつてのヒット商品にしがみつくことは、お客様の「今の痛み」から目を背けることに他なりません。

明日からできる「泥臭い」第一歩

「よーじやのような大掛かりなリブランディングなんて、うちには予算も余裕もないよ」 そう思われたかもしれません。大丈夫です。新規事業は、立派な企画書や多額の投資から始まるものではありません。

通販の苦情対応部署からキャリアをスタートした私の確信として言いますが、「お客様の声(特に痛み・不満)」こそが最大の経営資源です。

明日、会社に行ったら、まずは現場の社員(営業でも、カスタマーサポートでも、店舗スタッフでも構いません)に、こう聞いてみてください。

「最近、お客様が『ちょっとイラッとしていること』や『諦め顔で受け入れている不満』って何かない?」

これだけで十分です。会議室でウンウン唸ってひねり出した「画期的なアイデア」よりも、現場に落ちている「小さなクレーム」の中にこそ、次の収益の柱となる種が埋まっています。

【小島流・新規事業の種を見つける「3つの問い」】

❶「自社の看板商品」を、あえて今日から売るなと言われたら、自社は何で稼げるか?(自社の本当の強みの棚卸し)

❷顧客のクレーム履歴の中で、長年「業界の常識だから仕方ない」と放置されている不満は何か?

❸「近くて遠い存在」になっている既存客(地元客)は、今どんな「生活の不便」を抱えているか?

机上の空論は捨てましょう。お客様の切実な「なぜ?」に向き合う泥臭い作業の先にしか、本物の事業は生まれません。

参謀からのエール

  • 過去のヒット商品への依存は、自社のコントロール権を失う危機である。
  • ビジネスの原点は常に「誰かの痛みの解決」にある。
  • 新規事業の種は、会議室ではなく「現場の小さな不満」の中に落ちている。

新規事業は、華やかなアイデアコンテストではありません。既存の枠を飛び越えるのは勇気がいりますし、社内外からの反発もあるでしょう。よーじやの社長が言うように「アンチを怖がっていては何もできない」のです。

一人で悩まず、一緒に汗をかきましょう。 あなたの会社が抱える「痛み」、そしてお客様の「痛み」、ぜひ私にコーヒーでも飲みながら教えてください。


【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」

「おはようございます。 突然ですが、もし今日から『うちの一番売れている看板商品を売ってはいけない』と言われたら、私たちはどうやってお客様の役に立ち、利益を生み出すでしょうか。 京都の老舗『よーじや』は、看板である『あぶらとり紙』や『観光客向け』という過去の成功を捨てて、今、お客様の日常の課題解決に本気で向き合っています。 私たちの仕事の原点も、モノを売ることではなく、お客様の『困った』や『不満』を解決することにあります。今日一日、お客様のちょっとしたため息や、現場での小さなクレームに敏感になってみてください。そこに、我々の新しい未来の種が必ず隠れています。今日も一日、よろしくお願いします!」

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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