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「捨てるのがつらい…」日々の小さな痛みが、大ヒット商品のヒントになることに気づいた瞬間

ありがたいことに、両家の実家から野菜をふんだんにいただく季節です。 とてもありがたいことなのですが、息子たちも独立し、すっかり夫婦二人暮らしになった我が家。立派な野菜たちをどうしても食べきれず、傷ませては罪悪感を抱え……と、密かに困っていました。

そんな時、ふと「浅漬けがあるじゃないか」と気づいたんです。 早速、漬物器を購入し、せっせと浅漬けにする日々。するとどうでしょう。保存はきくし、カサも減るから食糧庫もすっきり。何より、楽しみながら野菜を作っている親たちから、喜んで受け取り続けることが最高の親孝行になると思えたのです。

「もったいない」「申し訳ない」という私の小さな「痛み」が、漬物器ひとつで「喜び」に変わりました。

なぜ、いきなり我が家の台所事情をお話ししたかというと、実はこの「痛み」こそが、皆さんが頭を抱えている「新規事業の種」そのものだからです。

今日は、ある新聞記事を題材に、高尚な理論ではなく、皆さんが明日からすぐ動きたくなるような「泥臭い新規事業の作り方」をお話しします。この記事を読み終える頃には、「なんだ、うちの会社にもチャンスは山ほどあるじゃないか」と熱くなっているはずです。

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ニュースの深読み:主役にならなくていい。「痛み」の隙間を狙え

先日(2026/3/6)の日経MJに、非常に興味深い記事が載っていました。 ミラノ・コルティナ冬季五輪で金メダルに輝いたフィギュアスケートの「りくりゅう」ペア。彼らが愛用していたことで注文が10倍に跳ね上がった、ある「常温惣菜」のニュースです。

製造するのは、もともと神戸で街の惣菜店を営んでいた「うちのや」さん。 店を出せば売り上げは上がるものの、どうしても廃棄が増える。「捨て続ける事業は持続しない」と、2代目社長が製法を見直し、たどり着いたのが「常温で1年以上保存できる惣菜」でした。

これ、まさに我が家の「野菜もったいない問題」と同じ構造です。 社長自身の「食品を捨てる痛み」を出発点に、常温保存という解決策を見出した。しかし、この商品の凄さはそこだけではありません。

Amazonで売り出してみると、思わぬ消費者の「痛み」を解決し始めたのです。

  • 「特売品や作り置きで、冷凍庫が常にパンパンで入らない
  • 「フードデリバリーを頼みたいけど、値上げと手数料が高くて躊躇する
  • 「メインは作ったけど、もう1品作る余裕も気力もない

惣菜といえば、スーパーの出来立てか、冷凍食品が主役です。常温惣菜は脇役かもしれません。しかし、主役たちが埋めきれない「冷凍庫のスペース問題」や「働く女性のあと1品の疲労感」という、リアルな生活の隙間(=痛み)にピタッとハマったのです。

私は通販事業の苦情対応部署にいた頃から、何千というお客様の怒りやため息に向き合ってきました。だからこそ断言します。 「お客様の声(特に痛み)こそが、最大の経営資源」です。

新規事業というと、ついAIだのWeb3だの、キラキラした主役の市場を狙いたくなります。しかし、中小企業が勝つべきはそこではありません。日常に潜む「名もなき痛み」を拾い上げ、あるものを活かして隙間を埋めること。そこにこそ、莫大な利益が眠っています。

明日からできる、泥臭い第一歩

「理屈はわかった。で、何から始めればいいんだ?」 という声が聞こえてきそうです。予算をかけて立派な市場調査会社に依頼する必要はありません。明日、会社に行ったら、まずは現場の社員(営業やカスタマーサポート)にこう聞いてみてください。

【小島流】「痛みの抽出」3つの質問
❶最近、お客様から言われた「理不尽な文句」は何ですか?
❷自社の商品を使っていて、お客様が「面倒くさそうにしていること」は何ですか?
❸あなた自身が、今の仕事で「ぶっちゃけ無駄だ(=捨てている)」と感じていることは何ですか?

「新規事業のアイデアを出せ」と社員に言っても、まともな答えは返ってきません。しかし「最近、お客さんに怒られたことは?」と聞けば、山のように不満(=隠れたニーズ)が出てきます。机上の空論を捨て、現場の泥臭いクレームに耳を傾けること。これが最強の第一歩です。

ちなみに…小島流「味変アイデア」

今回の日経MJの事例、私ならここに一つスパイスを加えます。 常温で1年もつなら、単なる惣菜ではなく「遠くで暮らす家族への、お守り代わりの仕送り便」として売り出します。

例えば、一人暮らしの大学生や、地方で暮らす高齢の親御さんへ。冷凍庫の容量を気にせず送れて、ポストに投函できるサイズにする。そこに手書きのメッセージカードを添えられる機能をつけます。 ただの「便利な惣菜」から「親心の代行サービス」へ。「あるものを活かして、ないものを創る」とは、こういう視点のずらし方です。

参謀からのエール

本日のまとめです。

  • 新規事業は「主役」を狙うな。日常の隙間にある「脇役」になれ。
  • アイデアを探すな。現場に落ちている「理不尽な痛みと文句」を拾え。
  • 「あるものを活かして、ないものを創る」視点で今を変えろ。

既存事業の先行きに不安を感じるなら、まずは御社の「痛み」を私に教えてください。隣でコーヒーでも飲みながら、一緒に泥臭く汗をかきましょう。

事業の壁を突破するアイデアの破壊力、ウィッテムの小島でした。


【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」

(※明日の朝礼で、ぜひ社員の皆さんに自分の言葉として語りかけてみてください)

「おはようございます。 突然ですが、最近お客様から言われた『理不尽な文句』や、仕事をしていて『無駄だな』と思うことはありませんか? 実は先日、ある惣菜屋さんが『食品を捨てるのがつらい』という現場の痛みから、常温保存の惣菜を開発し、大ヒットさせたという記事を読みました。 私は、新規事業のヒントは遠くの会議室ではなく、皆さんが日々向き合っている現場の『ため息』や『クレーム』の中にこそあると確信しています。 どんな小さな文句でも、面倒なことでも構いません。今日からぜひ、お客様の『痛み』に敏感になってみてください。それが、我々の次の大きな武器になります。今日も一日、よろしくお願いします!」

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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