大学生の息子が帰省すると、洗面台が大変なことになります。 化粧水に美容液、ヘアオイル。正直、妻よりも化粧品の数が多いんです。 でも、これを「最近の若い子は美意識が高いね」と笑ってはいけません。ここには、これからのビジネスを生き抜く重大なヒントが隠されているからです。
今、若い世代を中心に「メリハリ消費」が進んでいます。 絶対に失敗したくないスキンケアには、高くてもお金を出す。でも、流行りのメイク用品は安く済ませる。 つまり「中途半端な価格帯」の商品が一番売れない時代になったのです。
これは、私たち中小企業も同じです。 そこそこの品質で、そこそこの値段。これが一番危険な立ち位置です。 「お金を積んででも解決したい痛み」に対応して高く売るか、「手軽さと楽しさ」に割り切って安く売るか。 どちらかに振り切らないと、市場に埋もれてしまいます。
明日、社内でこう問いかけてみてください。 「もし価格を倍にするなら、何を足す?逆に半分にするなら、何を削る?」 この極端な質問が、御社の生き残る道を見つけるはずです。 ウィッテムの小島でした。

大学生の息子たちの化粧ポーチが、妻のそれよりも充実していることに驚いた経験はありませんか。実はこれ、単なる美意識の変化ではなく、ビジネスの未来を示唆する重大なサインなのです。10代の若者は今、安価なコスメと高価なスキンケアを使い分ける「メリハリ消費」を徹底しています。これは「中価格帯」の崩壊を意味します。かつての通販苦情対応で私が学んだ「期待と価格のバランス」の法則と照らし合わせながら、中小企業が陥りがちな「そこそこの価格でそこそこの品質」という罠からの脱出法を提案します。「鎮痛剤」になるか「ビタミン剤」になるか。明日から自社の事業を見直すための具体的な思考フレームワークをお届けします。
我が家には、大学生になる息子が二人います。二人とも今は家を出ているのですが、年末年始や休みに帰省してくるたびに、洗面台が大変なことになります。
何が大変って、彼らが持ち込む「スキンケア・ヘアケア用品」の数です。
化粧水、乳液はもちろん、導入美容液にヘアオイル、ワックスも用途別に数種類……。正直、妻の化粧品よりも多い(笑)。 妻も負けじと張り合っていますが、息子たちから「母さん、ここ乾燥してるよ」「もっといいやつ使わないと」なんて叱られている始末。 ちなみに、昭和生まれ・50代半ばの私は、そんな会話を横目に「男が化粧なんて……」とボヤきつつ、完全に諦めてニベアを塗る程度です。
でも、彼らのこの行動を「最近の若者は美意識が高いな」だけで片付けてはいけません。 彼らが選んでいる商品棚をよく見ると、これからのビジネスを生き抜くための「残酷なルール」が見えてくるからです。
今日は、息子たちの化粧ポーチと最新の市場データから、私たち中小企業が直面している「価格と価値の二極化」について、コーヒー片手に少し考えてみましょう。
ニュースの深読みと「問い」

「そこそこ良いもの」が一番売れない時代
さて、こんな記事を見つけました。
「安価な化粧品に変更」10代4割 ポイントメーク、韓国人気
物価高で10代の4割超が安価な化粧品やブランドに切り替える動きが進んだ。一方で、成分や効果を重視する層は高価格帯の商品を選ぶ。「メリハリ消費」が加速し、中価格帯は伸び悩む。
(日経MJ 2026/1/21)
この記事、化粧品業界の話だと思って読み飛ばしていませんか? これは、あらゆる業界で起きている「中価格帯の崩壊」の縮図です。
記事によると、消費者の行動は完全に二つに分かれています。
- 高価格帯(価値重視): 肌の土台を作るスキンケアやベースメイクには、高くてもお金を出す。「失敗したくない」領域には投資する。
- 低価格帯(楽しさ重視): 流行りの色を試すリップやマスカラは、安くて楽しい韓国コスメなどで済ます。「遊び」の領域は徹底して節約する。
結果、一番割を食っているのが「中価格帯」です。 かつては「安すぎず、高すぎず、品質もそこそこ良い」という商品が、安心感として選ばれていました。しかし今は、「中途半端に高くて、特徴がない」と見なされ、一番選ばれないゾーンになってしまったのです。
クレーム対応で学んだ「痛みの法則」
私は昔、通販会社の苦情対応部署にいました。そこでお客様から叩き込まれたのは、「期待と価格が釣り合っていない時に、人は怒る」という事実です。
100円ショップの商品がすぐ壊れても、誰も激怒しません。「まあ、100円だしね」で終わります。 逆に、高級旅館でサービスが悪ければ、烈火のごとく怒ります。
一番怖いのは、「そこそこの値段を取っているのに、感動がない」ときです。 今、多くの中小企業がこの「中価格帯の罠」にはまっています。
- 大手ほど安くできない。
- かといって、ハイブランドほどの圧倒的な付加価値(=痛みを取り除く力)も提示できていない。
記事にある10代の若者たちは、直感的に「自分にとって何が重要で、何がどうでもいいか」を選別しています。この選別眼に、私たちおじさん経営者のビジネスは耐えられるでしょうか?
実践:明日からできる「泥臭い」第一歩
では、どうすればこの「中価格帯の死の谷」から抜け出せるのか。 いきなり新商品を開発したり、ブランドを刷新したりする必要はありません。まずは今の事業を見つめ直すことから始めましょう。
明日からできる「自社の棚卸し」
明日、現場の社員や営業マンに、こう問いかけてみてください。
「うちの商品、もし値段を今の倍にするとしたら、何を足さなきゃいけない?」 「逆に、もし値段を半分にしていいなら、何を削ってもお客様は許してくれる?」
この質問は、自社のサービスの「コア(核)」をあぶり出すためのものです。
小島流・価値の再定義フレームワーク
私が社長参謀として現場に入る際、よく使う思考の整理法があります。
【ウィッテム式:脱・中途半端チェックリスト】
❶「鎮痛剤」はどこか?(高価格の源泉)
- お客様が「お金を積んででも解決したい切実な悩み(痛み)」は何か?
- 例:化粧品なら「肌荒れ」。BtoBなら「納期遅れ」「人手不足」。
- →ここは徹底的に品質を上げ、価格も上げるべき領域。
❷「ビタミン剤」はどこか?(低価格・接触頻度の源泉)
- お客様が「あったらいいな」「楽しいな」と思う軽いニーズは何か?
- 例:化粧品なら「流行りの色」。BtoBなら「ちょっとした情報提供」「使いやすい発注システム」。
- →ここは機能を絞り、安価に(あるいは無料で)提供して間口を広げる領域。
「全部入りで、まあまあの値段」をやめること。 「ここは絶対に譲れないから高い」と言い切るか、「ここは機能を削ったから安い」と割り切るか。 この「メリハリ」を自社の商品構成につけることが、2026年を生き抜く第一歩です。
参謀からのエール
「中流」に安住できる時代は終わりました。 怖いことのように聞こえますが、実はチャンスです。大手のように全方位をカバーする必要がない中小企業こそ、「ここだけは突き抜ける(高く売る)」と「ここは捨てる(安く売る)」を自由に決められるからです。
息子たちのツルツルの肌に負けないくらい、私たちのビジネスも磨きをかけていきましょう。 「うちはどうメリハリをつければいい?」と迷ったら、いつでも声をかけてください。一緒に汗をかきましょう。
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【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」
(以下の文章を、ぜひ明日の朝礼で、あなたの言葉として社員に語りかけてください)
「おはようございます。 今朝、ふと思ったんですが、最近の若い子は化粧品を選ぶのが本当に上手いですね。 大事な肌のケアには高いお金をかけるけど、流行りのメイク道具は安くて良いものをうまく使っている。 これ、今の世の中の『縮図』だと思いました。 お客様は今、『中途半端なもの』には一番厳しい。 だからこそ、我々も考えたい。『絶対に他には負けない、高くても選ばれる価値』はどこにあるのか。逆に『もっと手軽にして、お客様を楽にできる部分』はないか。 『まあまあ』を目指すのはやめましょう。突き抜ける仕事を、今日も頼みます!」
























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