<記事の概要動画>
眠れない夜は、無理に寝なくていい。
寝れない時は、寝なくてもいい。これくらいの気持ちの方が楽である。
「明日のパフォーマンスが落ちるから、早く寝なきゃ」 そう焦れば焦るほど、目は冴え、時計の針の音だけが大きく響く。そんな経験、経営者なら一度や二度はあるでしょう。
私は、諦めることにしています。 「あ、今日はいろいろ考えたいんだな、私の脳みそは」と開き直り、起き上がってお茶を淹れる。 快眠は確かに気持ちいいですが、毎日8時間ぐっすり眠ることだけが正解ではない。むしろ、その悶々とした深夜の時間に、ふと新しい事業の種が見つかったりするものです。
「世の中の正解」に縛られすぎると、本当の解決策が見えなくなる。 これは睡眠だけの話ではありません。経営も同じです。
「社員のためには立派な設備が必要だ」「給料を上げないと人は来ない」 そんな「大手企業の正解」に縛られて、動けなくなっていませんか?
今日は、そんな皆さんの目の前にある「当たり前」を少しズラして、明日から使える武器に変えるお話をします。テーマは、ずばり**「社員のお昼ご飯」**です。
大手が「食堂」に投資する本当の理由
今日取り上げるのは、給食大手エームサービスの好調を伝えるこちらのニュースです。
給食大手のエームサービス 社食が企業の人材獲得の柱に
24年度の社員食堂などの国内給食市場はコロナ前水準に戻り、企業は社員食堂を「福利厚生」や「人材獲得」の柱として重視している。(中略)コンビニでランチを買うより割安という現象も起き、魅力が相対的に上がっている。
(日経MJ 2025/12/14)
この記事、単に「給食会社が儲かっている」と読み流してはいけません。 ここには、中小企業が直視すべき「社員の痛み」と「社会の変化」が強烈に示唆されています。
1. 「ランチ難民」という切実な痛み
物価高騰は、皆さんが思っている以上に社員の財布を直撃しています。 都心部ではランチ1,000円超えは当たり前。コンビニでおにぎりとサラダと飲み物を買えば700円、800円があっという間に消えます。

毎日800円使うと、月20営業日で16,000円。手取り20万円台の社員にとって、これは「痛み」以外の何物でもありません。 だからこそ、社食の「割安感」が、給与アップと同じくらいの価値を持ち始めているのです。
2. 「孤食」によるエンゲージメントの低下
記事には「工場内で新しい食堂をつくる動き」や「アプリでコミュニケーション」という話がありました。 これは逆に言えば、「食事の場を通じたコミュニケーションが不足し、組織が弱体化している」ことの裏返しです。
自分のデスクでスマホを見ながらコンビニ弁当をかきこむ。あるいは、車の中で一人でおにぎりを食べる。 これでは、会社への帰属意識など生まれるはずもありません。大企業はそれに気づき、巨額の投資をして「集まる場所」を作っているのです。
では、資金力のない我々中小企業は、指をくわえて見ているしかないのでしょうか? 答えは「NO」です。 むしろ、小回りの利く我々だからこそできる、「泥臭い食の支援」があります。
箱モノ(食堂)はいらない。明日からできる「泥臭い」第一歩

ウィッテムの小島なら、こう提案します。 「食堂という『建物』を作るのではなく、共に食べるという『体験』と『実利』を作りましょう」と。
予算をかけずに、社員の「胃袋」と「財布」、そして「心」を満たすアクションプランです。
ステップ1:現状の「ランチ事情」をリサーチする(費用0円)
まずは明日、社員にこう聞いて回ってください。 「今日のお昼、何食べた? いくらした?」
「昨日の残り物です」「カップラーメンです」「食べてません」……。 そこにあるのは、キラキラしたランチではなく、節約と我慢の現実かもしれません。その「リアルな痛み」を知ることがスタートです。
ステップ2:社内「1合飯」制度の導入(費用:数万円〜)
食堂を作る金がなくても、「業務用の大きな炊飯器」なら買えるはずです。

- 会社でお米を用意し、朝、誰かが(持ち回りや総務が)炊いておく。
- 「ご飯は会社のおごりだから、おかずだけ持ってきてね」と伝える。
たったこれだけで、社員の食費は数百円浮きます。 そして何より、炊飯器の周りに人が集まります。「今日のおかず何?」「そのふりかけ美味しそうだね」。 自然発生的なコミュニケーションが、高価な研修よりもチームワークを醸成します。
ステップ3:近隣飲食店との「勝手に提携」(費用:交渉次第)
近所の弁当屋さんや定食屋さんに、社長自ら交渉に行きましょう。 「うちは社員が20人いる。毎日10食分はまとめて注文するから、50円まけてくれないか? あるいは、味噌汁をサービスしてくれないか?」
店側にとっても、まとまった固定客は喉から手が出るほど欲しいはず。 これを「社割ランチ」として社員に提供するのです。 アプリなんてなくても、社長の足と交渉力があれば、独自の福利厚生は作れます。
【小島流:食の福利厚生 3つの視点】

施策を考えるときは、以下の3つが満たされているかチェックしてください。
- 経済的メリット(財布の防衛): 社員の実質的な手取りが増えることと同義。「300円で腹一杯」は最強の福利厚生。
- 健康的メリット(身体の防衛): カップ麺ばかりの社員に、温かいご飯や野菜を提供することは、労働生産性の維持に直結する。
- 関係的メリット(孤独の解消): 「同じ釜の飯を食う」効果は絶大。雑談が生まれれば、離職率は必ず下がる。
まとめ:参謀からのエール

社員食堂がないから人材が取れないのではありません。 「社員の生活(衣食住)への関心」が伝わっていないから、人が離れるのです。
大手がハード(建物)で解決するなら、我々はハート(泥臭い気遣い)で解決しましょう。 まずは炊飯器一つから、あるいは近所の弁当屋への交渉から。 あなたのその行動が、社員にとっては「給料アップ」以上に温かいメッセージになるはずです。
「うちの会社、こんな変なランチ制度やってるよ!」という事例があれば、ぜひ教えてください。 一緒に、中小企業ならではの「勝ち筋」を見つけましょう。
【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」
(※明日の朝、社員の顔を見て、自分の言葉として語ってください)
「おはようございます。 最近、みんな昼ごはんをどうしてるかなと思って、少し気になっています。 ニュースで見たんだけど、今はコンビニで買うのも高いし、栄養バランスをとるのも大変だよね。 会社として、みんなが少しでも安く、健康的に、そして美味しくランチを食べられる方法がないか、真剣に考えたいと思ってる。 『ご飯だけ会社で炊いて提供する』とか『近所の弁当屋と提携する』とか、できることから始めたい。 『こういうのがあったら嬉しい』というアイデアがあったら、ぜひ遠慮なく教えてほしい。 体が資本だからこそ、みんなの食事のこと、もっと会社に応援させてくれ。以上!」

























コメント