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サイゼリヤに学ぶ「引き算」の経営。中小企業がDXで勝つための3つの鉄則

こんにちは、社長参謀の小島です。

ウィッテムという会社で、日々中小企業の経営者の方々と膝を突き合わせ、新しい事業の種を探しています。

今日は、ある「痛み」の話から始めさせてください。

サイゼリヤに学ぶ「引き算」の経営。中小企業がDXで勝つための3つの鉄則


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券売機の前でフリーズする54歳

私は正直に白状します。ランチタイムに「券売機」があるお店を、無意識に避けてしまうことがあります。

12時15分。お腹は空いている。でも、券売機の前には列ができている。 私の番が来る。「さあ、早く選べ」と言わんばかりの無言の圧力。後ろに並ぶサラリーマンの視線が背中に刺さる。 (あれ、お目当ての定食ボタンはどこだ? 味噌汁はセットか? お釣りを取り忘れてないか?)

もう、食事の前に味がしなくなるほどドキドキしてしまうのです。

昔ながらの、「カチッ」と押すだけのプラスチックのボタンが懐かしい。 そういえば最近、「車のエアコンなどは、タッチパネルより物理ボタンの方が操作ミスが少なく、結局早い」という記事を読みました。

「ガラケーからスマホに変わったように、そのうち慣れるさ」 そう高を括っていいものでしょうか?

実はこれ、私だけの「老い」の問題ではありません。 最新のデータが、「不便な便利さ」に対する顧客の静かなる怒りを証明しているのです。

「お客様のスマホ」をあてにするな

日経MJに興味深い記事が出ていました。 飲食店での「スマホ注文(自分のスマホでQRを読み込むタイプ)」に対する不満が約30%に達しているというのです。これは備え付けのタブレット注文に対する不満の3倍です。

理由は明白。「充電が減る」「通信量が気になる」「画面が小さくて見づらい」。

なぜ、これが「経営の危機」なのか?

私は苦情対応の出身なので、お客様の「痛み」には敏感です。この30%の不満の本質は、機能の問題ではありません。 「店のコスト削減のために、客のリソース(充電・通信・手間)をタダ乗りしている」という姿勢が透けて見えることへの不快感です。

一方で、勝っている企業もあります。 「サイゼリヤ」です。 彼らのスマホ注文は極限までシンプル。写真などの重いデータを削ぎ落とし、メニュー番号を入れるだけ。「サクサク動くこと」に特化しています。

また、個人経営のバーが、生成AIを使ってわずか10万円で自前のシステムを作った例もありました。これは「LINE登録などの余計なマーケティングを排除し、純粋に注文だけさせたい」という店主の想いからです。

ここにあるのは、「お客様の時間を奪わない」という徹底した配慮です。

中小企業が陥りがちな罠があります。 「DXだ、効率化だ」と言って導入したシステムが、実はお客様にとっては「面倒な作業の下請け」になっていないでしょうか? 「お客様の声」ならぬ「お客様の痛み」こそが、最大の経営資源です。 30%の人が不満を持っているなら、そこには巨大な「改善の余地(=ビジネスチャンス)」が眠っています。

明日からできる「泥臭い」第一歩

では、莫大な開発費を持たない私たち中小企業は、明日からどう動けばいいのか。 高価なシステムを入れる前に、やるべき「泥臭い」ことがあります。

それは、「顧客の『迷い』を数えること」です。

私が推奨している、明日からできるアクションプランを提示します。

小島流・「フリクション(摩擦)」発見フレームワーク

  1. 「すみません」の回数を記録する
    現場の社員にこう指示してください。「お客様から『すみません、これどうやるの?』『これは何?』と聞かれた回数と内容をメモしてくれ」と。
    それは接客のチャンスではなく、「システムや案内の敗北」です。そこに改善のヒントがあります。
  2. 社長自身が「初見」で体験する
    自社の注文フロー、問い合わせフォーム、入店からの動線。
    「何も知らない素人」になりきって、スマホの充電が残り10%の状態で行ってみてください。
    どこでイラッとするか? どこで不安になるか? その「感情の揺れ」をメモしてください。
  3. 「引き算」の決断をする
    サイゼリヤのように、「機能を足す」のではなく「何を削れるか」を考えてください。
    写真は必要か? その入力項目は必須か? 会員登録は本当に今必要か?
    「お客様の1秒を削る」ことに命をかけてください。

予算はゼロ円です。必要なのは、現場を見る「目」だけです。 DXの前に、この「人間味のある観察」ができるかどうかが、勝負を分けます。

参謀からのエール

システムはあくまで道具です。主役は「人」です。 「便利になった」と喜んでいるのが「お店側だけ」という悲劇を、御社では起こさないでください。

不満の声(痛み)がある場所には、必ず商機があります。 まずは明日、現場で「お客様がどこで立ち止まっているか」をじっと観察することから始めましょう。

もし、「ウチの業界の『痛み』が見えない」と悩まれたら、いつでも声をかけてください。 私が一緒に現場に入り、汗をかきます。

あなたの会社の「痛み」、ぜひ教えてください。


【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」

(そのまま読み上げるか、自分の言葉に直して使ってください)

おはようございます。
今日は一つ、みんなにお願いがあります。

最近のニュースで、「飲食店のスマホ注文に3割の人が不満を持っている」という記事を読みました。お店が楽になる一方で、お客様には「面倒」や「不安」を押し付けてしまっているケースが多いそうです。

うちの会社はどうでしょうか?
良かれと思ってやっている手順やルールが、実はお客様にとって「見えない負担」になっていないでしょうか。

今日一日、お客様が「どこで迷っているか」「どこで面倒くさそうな顔をしたか」、そこを意識して見てほしいんです。
私たちが目指すのは、我々の効率化ではなく、お客様の「快適」です。
気づいたことがあれば、どんな小さなことでも教えてください。よろしくお願いします!

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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