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駅から徒歩1時間の「赤字駄菓子屋」に月1万人が殺到する衝撃の理由。中小企業が陥る「仕組み化」の罠

商売の鉄則は「仕込み・仕組み・仕掛け」

名古屋の街を、日課である愛犬と散歩しながら、ふと商売について考えることがあります。

2001年に会社を立ち上げてから今日まで、数え切れないほどの企業の現場に入り込んできましたが、商売をしているとつくづく「ファンづくりが重要だ」と気付かされます。

誤解しないでいただきたいのですが、アイドルのような熱狂的な人気は必要ありません。ただ、お客様の「記憶から消さない努力」がとても大切なのです。

世の経営者は、つい効率的な「仕組みづくり」ばかりを考えがちです。しかし、仕組みを活かすには人の心を動かす「仕掛け」が重要で、さらに成果を得るには、水面下での泥臭い「仕込み」が肝になります。

仕込みながら、仕組みを作り、最後に仕掛ける。 今も昔も、商売は極めてシンプルです。

なぜ今日、こんな話をしたのか? 実は先日、この「仕込み・仕組み・仕掛け」を見事に体現し、駅から徒歩1時間の辺鄙な場所で月に1万人を集める「ある駄菓子屋」のニュースを目にしたからです。

今日はこの記事から、「新規事業の種は、遠くの市場ではなく、足元の『痛み』の中にある」という話をします。この記事を読み終える頃には、「自社にも、明日から活かせる武器があるじゃないか」と気づいていただけるはずです。

なぜ最寄り駅から徒歩1時間の「赤字駄菓子屋」が大化けしたのか?

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今回取り上げるのは、千葉県にある「駄菓子屋あひるSHOP」の事例です。 最寄り駅から徒歩1時間、畑に囲まれた立地。開業当初は客が1人も来ない日があり、赤字が常態化していたそうです。しかし今では、週末に家族連れの車が殺到し、月に1万人以上を集める人気スポットに化けました。

なぜ、そんなことが起きたのか? 私はかつて通販事業の苦情対応部署で、お客様の切実な「なぜ?」という声、つまり「痛み」にひたすら向き合ってきました。その経験から言わせてもらうと、この駄菓子屋は単に「安いお菓子を売っている」のではありません。

現代の親たちが抱える「週末、お金をかけずに子どもに特別な体験をさせたいが、手頃な場所がない」という痛みを解消しているのです。

子どもが自分で値段を計算して料金箱に入れる無人販売ゾーン。射的や綿菓子作りなどの縁日体験。これらはすべて、子どもには「背伸びした大人の体験」を、親には「昭和のノスタルジーと安心感」を提供しています。

さらに見事なのは、SNSの活用法です。 ただインスタグラムのアカウントを作る(仕組み)だけではなく、地域のインフルエンサーを巻き込み(仕込み)、クイズやアンケートに答えてくれた人に割引券付きのメッセージを送る(仕掛け)ことで、お客様との双方向のコミュニケーションを徹底しました。

結果、忘れられない店(ファン化)となり、月商は20倍に跳ね上がったのです。さらに、駄菓子単体の利益率の低さを補うため、大人向けのアウトレット食品を拡充して収益性を上げるという、極めて現実的な軌道修正も行っています。

ここには、中小企業が新規事業を立ち上げるためのエッセンスがすべて詰まっています。

明日からできる「泥臭い」第一歩

「うちは駄菓子屋じゃないし、BtoBだから関係ないよ」 そう思われた経営者の方、少しお待ちください。

本質は「自社の既存リソースを、顧客のどんな『痛み(欲求)』と掛け合わせるか」です。多額の予算をかけて真新しいシステムを導入することではありません。

明日からできる、泥臭い第一歩をお伝えします。 まずは、現場の最前線にいる社員に「最近、お客様から言われたちょっとしたワガママや、困りごとはないか?」と聞いてみてください。そこに必ず、新規事業の種(仕込み)があります。

社長参謀としての、小島流フレームワークを置いておきます。

❶顧客の痛みの発見
自社の「当たり前」の中に、お客様が面白がる、あるいは助かる体験はないか?
(例:製造工程の端材、職人のちょっとした裏技)

❷届ける経路
それを知ってもらうためのお金をかけないルートは何か?
(例:高額な広告ではなく、既存客への手書きのニュースレターやSNSでの対話)

❸記憶に残すフック
お客様が思わず「誰かに言いたくなる」要素は何か?
(例:あひるSHOPにおける「子どもの計算体験」や「クイズの正解でクーポン」)

参謀からのエール

今回の記事のエッセンスを3行でまとめます。

  • 新規事業は、お客様の「痛み」を見つけることから始まる。
  • 高尚な仕組みより、泥臭い「仕込み」と記憶に残る「仕掛け」がファンを創る。
  • 自社の中にある「当たり前」こそが、最大のエンタメになり得る。

「あるものを活かして、ないものを創る」のが、私たちの得意技です。 今の事業の延長線上に限界を感じているなら、机上の空論ではなく、現場の泥臭い実践から一緒に汗をかきましょう。

まずは、あなたの会社の「痛み」を、私にこっそり教えてくれませんか? コーヒーでも飲みながら、次の一手を考えましょう。


【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」

(※この記事を読んだ翌日、ぜひ自分の言葉として社員に伝えてみてください)

「おはようございます。昨晩、ある駄菓子屋の記事を読みました。駅から徒歩1時間という最悪の立地なのに、月に1万人が来るそうです。理由は簡単で、お菓子ではなく『子どもが自分で計算して買い物をする体験』や『縁日のお祭り気分』を売っていたからです。 翻って、我が社はどうでしょうか。私たちは単に『モノ』や『サービス』を納品するだけで終わっていないでしょうか? お客様の裏側にある『本当の悩み』や『喜び』に寄り添えているでしょうか。今日1日、お客様との会話の中で『何か私たちが提供できる新しい体験はないか』、そんな視点を持って仕事に向き合ってみてください。頼みましたよ!」

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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