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40円のチーズがバカ売れする理由に学ぶ、購入ブレーキの外し方

黒糖かりんとうと「罪の味」

こんにちは。社長参謀の小島です。

みなさん、「無性にこれが食べたい!」というおやつ、ありますか? 私は断然、「黒糖かりんとう」なんです。

あのガリッとした無骨な歯応え。口いっぱいに広がる黒糖の濃厚な甘み。 仕事の合間、ちょっと脳みそが疲れた時にあの濃い味を体が欲するんです。健康志向? いえいえ、そんな高尚な理由じゃありません。純粋な「快楽」です。

ただ、袋を開けると最後、1本、2本……と手が止まらなくなる。「これ以上食べたら夕飯に響くな」「また糖分摂りすぎたな」と、食べ終わった後にほんの少しの「後悔」が頭をよぎるのも事実です。

私たちが商品を手に取る時、そこには必ず「欲しい(アクセル)」と「でもなぁ……(ブレーキ)」が同時に存在しています。

今日取り上げるニュースは、この「ブレーキ(罪悪感)」を見事に消し去ったことで、市場を爆発させたという話です。 これ、食品業界だけの話じゃありませんよ。あなたの商品にも応用できる「勝ち筋」がここにあります。


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「罪悪感」という最強の競合を倒せ

まずは、こちらの記事をご覧ください。

健康志向おやつに「デザートチーズ」 手頃価格、罪悪感少ないご褒美
デザートになるチーズの売れ行きが伸びている。牽引役は20〜40代女性。「お菓子を食べるより罪悪感がない」のが理由。洋菓子に比べて価格も手頃(1個40円台)で、タンパク質も摂れる「コスパの良いスイーツ」として定着しつつある。

日経MJ 2026/1/21

「言い訳」を用意した者が勝つ

この記事のキーワードは、間違いなく「罪悪感(ギルト)フリー」です。

ケーキ屋さんのショーケースに並ぶケーキは魅力的です。でも、今の時代、それを買うには2つの高いハードルがあります。

  1. カロリーと健康への不安(太るかも)
  2. インフレによる価格高騰(高いかも)

この2つの「痛み」に対して、デザートチーズは見事な解決策、いや「買ってもいい理由(言い訳)」を提供しました。

  • 「甘いけど、チーズだからタンパク質が摂れる(=体にいいことしてる!)」
  • 「ケーキは500円するけど、これなら40円(=家計に優しい!)」

私が通販会社の苦情係をしていた頃、痛感したことがあります。お客様は、単に「モノ」を買っているのではない。「それを買うことでの納得感」を買っているのだと。

「甘いものが食べたい」という本能的な欲求に対し、「健康」と「節約」という「大義名分」を与えてあげる。 すると、お客様の心のブレーキが外れ、スルッと購入に至るわけです。

競合は「同業者」ではない

このニュースの面白い点は、チーズメーカーが「他のチーズ」と戦っているのではなく、「洋菓子(ケーキやチョコ)」の代替ポジションを奪いにいっていることです。

中小企業の経営者とお話ししていると、どうしても「競合他社より性能を良くしよう」「安くしよう」と同業者ばかりを見てしまいがちです。 しかし、お客様の視点(お財布)から見れば、ライバルは全く違うところにいます。

「お客様があなたの商品を買うのをためらう理由(ブレーキ)」は何でしょうか? もしそのブレーキを外す「魔法の言葉」や「付加価値」を添えることができれば、御社の商品はもっと選ばれるはずです。


明日からできる「泥臭い」第一歩

では、具体的にどう動くか。机上の空論は抜きにして、明日から現場でできるアクションを提案します。

小島流:「買わない理由」破壊ワーク

御社の商品・サービスをお客様が「欲しいけど、今はやめておこう」と棚に戻す瞬間。その時、お客様の頭の中で何が起きているか想像してみてください。

以下の3つのステップで、社内会議や朝礼で問いかけてみてください。

Step 1. 「心のブレーキ」を言語化する 「うちの商品を買う時、お客さんが一番『気後れ』することって何だろう?」

(例:高い、使いこなせるか不安、贅沢すぎる、場所をとる、etc…)

Step 2. そのブレーキを「正当化」する材料を探す その気後れを打ち消すための「ポジティブな言い訳」はないか?

(例:単なる贅沢品ではなく、「時短」になるから結果的に得ですよ)
(例:単なるお菓子ではなく、「栄養補給」ですよ)

Step 3. それをPOPや営業トークの「一番最初」に持ってくる 商品説明の最後ではなく、最初にその「言い訳」を提示してあげる。

予算なんてかける必要はありません。 店頭のPOP一枚、営業資料のキャッチコピー一行を変えるだけです。

「これを買うことは、悪いことじゃない。むしろ賢い選択なんだ」 そう背中を押してあげることが、私たち売り手の優しさであり、最大の戦略なのです。


参謀からのエール

お客様は、常に「買う理由」を探すと同時に、「買わない理由」も探しています。 素晴らしい商品を作っているなら、あとはお客様が自分自身を説得できる「材料」を手渡してあげるだけ。

「お客様の罪悪感を、満足感に変える変換キーは何か?」

ぜひ、現場の社員さんと一緒に考えてみてください。 もし「うちの場合はどう変換すればいい?」と迷ったら、いつでも声をかけてください。一緒に知恵を絞りましょう。

アイデアの破壊力で、今を変えていきましょう。


6. 【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」

(※明日の朝礼で、そのまま読み上げてください)


おはようございます。 今朝は「お客様の背中を押す」話をします。

最近、「デザートチーズ」が売れているそうです。理由は「ケーキより安くて、タンパク質が摂れるから罪悪感がない」こと。つまり、お客様は「甘いものを食べるための言い訳」が欲しいんです。

これ、うちの会社でも同じことが言えないでしょうか? お客様がうちの商品を検討する時、「欲しいけど、ちょっと高いな」「今じゃなくてもいいかな」と迷う瞬間が必ずあります。

その時、「でも、これを買えば〇〇だから、むしろ正解だよね」と言える材料を、私たちがちゃんと提案できているでしょうか?

今日は一日、お客様との会話の中で「お客様が迷っている理由(ブレーキ)」は何なのか、耳を澄ませてみてください。そこに、次のヒット商品のヒントがあるはずです。 今日も一日、お客様の「納得」を作っていきましょう!

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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