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「調査でトゲをなくすな」ロッテ社長の言葉に学ぶ、中小企業が“値上げ”で勝つための唯一の生存戦略

リュック1つの身軽さと、経営の「荷下ろし」

こんにちは、小島です。名古屋の自宅で、淹れたてのコーヒーを飲みながらこれを書いています。

ここ最近、ありがたいことに全国への出張が増えました。新幹線や飛行機での移動を繰り返すうち、ある変化が起きました。

荷物が極端に減ったのです。

以前は「念のため」と、分厚い資料や予備の着替え、読みもしない本まで詰め込んでいましたが、今はビジネスリュック一つ。これで2泊3日も余裕です。

人間、不思議なもので、「これだけで行く」と決めると、本当に必要なもの(本質)が見えてきます。逆に、あれもこれもと詰め込んでいるうちは、不安の裏返しでしかありません。

ふと、これは経営も同じではないかと思いました。

「あれもやらなきゃ」「この顧客も逃したくない」「トレンドの商品も作らなきゃ」……。

そうやって荷物を増やしすぎた結果、動きが鈍くなり、本来の強みが見えなくなっていませんか?

今日取り上げるのは、まさに「荷物を減らし、本質(オンリーワン)だけを磨き上げた」企業のトップの話です。

「みんなに好かれようとして、トゲをなくすな」。

この言葉は、今の私たち中小企業経営者の胸に、痛いほど刺さります。

この記事を読めば、「値上げへの恐怖」を乗り越え、自社の強みを再定義するヒントが得られるはずです。一緒に考えていきましょう。


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「丸くなった」商品に、未来はない

今日深読みするのは、日経MJのロッテ・中島英樹社長へのインタビュー記事です。

菓子市場全体が苦戦し、若者が「ガムよりグミ」へと流れる中、ロッテはガムの復調を見せています。しかも、「値上げの影響をほぼ受けていない」というのです。

「調査」という名の落とし穴

私がこの記事で最も膝を打ったのは、中島社長のこの言葉です。

「なるべく失敗を少なくしようと調査をして、トゲを落としていくと失敗はしないですが成功もしない」

ロッテ・中島英樹社長

これ、心当たりがありませんか?

私は通販の苦情対応部門にいた頃、数え切れないほどの「お客様の声」を浴びてきました。そこで気づいた真実があります。

「誰からも文句が出ない商品は、誰からも愛されない」ということです。

多くの企業は、マーケティング調査を行い、ネガティブな意見を消そうとします。

「味が独特すぎる」と言われれば個性を消し、「使い方が難しい」と言われれば機能を削る。そうやって「トゲ」を丸く研磨した結果、どこにでもある「無難な商品」ができあがります。

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大手企業なら、無難な商品を大量の広告費で売ることもできるでしょう。しかし、私たち中小企業がそれをやったらどうなるか?

「価格競争」という泥沼に引きずり込まれて終わりです。

「お口の恋人」から「健康のパートナー」へ

ロッテの凄さは、ガムという商品の定義を「嗜好品(お菓子)」から「健康器具(噛むことの効用)」へとシフト(荷下ろし)させた点にあります。

  • Before: 味が美味しい、暇つぶしになる(グミと競合する土俵)
  • After: 脳を活性化する、医療・介護費を抑制する(オンリーワンの土俵
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自治体や大学と連携し、「噛むこと」の社会的価値を証明する。だからこそ、多少の値上げをしても「その効果が欲しい」お客様は離れないのです。

中小企業の勝ち筋もここにあります。

「お客様を失望させるよりも値上げしたほうがいい」と中島社長は断言します。

コストダウンで品質(=その会社らしさ)を落とすくらいなら、堂々と値上げし、その分「他にはない価値(トゲ)」を磨く。これこそが、生き残るための唯一の道なのです。


実践:明日からできる「泥臭い」第一歩

では、具体的にどうすればいいのか?

「ウチにはロッテのような研究開発費もブランドもないよ」という声が聞こえてきそうです。

大丈夫です。必要なのは予算ではなく、「視点の転換」です。

明日からできる、小島流の「トゲ探し」アクションプランを提案します。

Step 1:現場への「逆説的な」ヒアリング

明日の朝、営業や販売の現場スタッフに、こう聞いてみてください。

「お客様に『ここが使いにくい』『ここが変だ』と言われつつも、一部の熱狂的なファンがいる商品はどれだ?」

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普通は「クレームが少ない商品」を探しますよね。逆です。

「文句も出るが、指名買いもされる商品」を探すのです。そこに、御社の「トゲ(=強み)」の原石があります。その「使いにくさ」や「クセ」こそが、磨けば光るオンリーワンの要素かもしれません。

Step 2:価値の「書き換え」ワーク

見つけた「トゲ」のある商品やサービスについて、以下のフレームワークで定義を書き換えてみてください。

【小島流:価値の再定義フレーム】

  • 商品名:(例:堅すぎるクッキー)
  • 今の認識(モノ): 食べにくいお菓子
  • 誰の痛みを救えるか?: 顎が弱っている子供、集中したい受験生
  • 新しい定義(コト): 「噛む力」を育てる教育ツール、眠気覚ましの相棒
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ロッテが「ガム」を「健康」に書き換えたように、あなたの商品も「モノ」から「解決策(コト)」に書き換えられませんか?

Step 3:小さく「市場に問う」

中島社長は「まず市場に問うて、それを繰り返す方がいい」と言っています。

完璧な新商品を作る必要はありません。

既存商品のパッケージに、Step 2で考えた「新しい定義」を書いたPOPを貼るだけでいいのです。

(例:「ただのクッキーではありません。アゴを鍛えるクッキーです」)

これで売れ行きが変わるか? お客様の反応が変わるか?

泥臭くテストを繰り返すこと。これなら予算0円で明日からできます。


結び:参謀からのエール

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ビジネスリュック一つで旅に出ると、身軽さの快適さに驚きます。

経営も同じです。「嫌われないこと」や「安くすること」という重い荷物を下ろし、「ウチはこれが売りだ!」というトゲ一つを持って市場に出る。

怖がる必要はありません。

「丸い石」は川に流されますが、「トゲのある石」は流れに抗って留まります。

あなたの会社の「トゲ」は何ですか? ぜひ、私にも教えてください。一緒にそのトゲを、最強の武器に磨き上げましょう。


【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」

おはようございます。

今日は「トゲ」の話をします。

これまで私たちは、お客様からクレームが来ないように、失敗しないようにと、商品の「角」を削って丸くしようとしてきたかもしれません。

でも、これからは考え方を変えます。

どこにでもある「無難な商品」は、価格競争に巻き込まれるだけです。

これからは、「一部の人に嫌われても、特定の人に熱烈に愛される商品」を目指します。

私たちの商品の中で、「ここが尖っている」「ここが他社と違う」という「トゲ」を、隠すのではなく、もっと磨いていきましょう。

「丸くなるな、星になれ」。そんな気持ちで、今日もそれぞれの現場で「ウチだけの価値」を探してください。

よろしくお願いします。

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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