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廃棄コストが収益に変わる。ソニーの事例に学ぶ、中小企業のための「0円」新規事業の作り方

「孫より犬」の衝撃と、ビジネスの種明かし

こんにちは、ウィッテムの小島です。名古屋の喫茶店で、モーニングを前にこの原稿を書いています。

今日は少し、私の「敗北」の話から始めさせてください。 先日、久しぶりに次男が帰省したので、親孝行のつもりで私の実家へ連れて行きました。「孫の顔を見せれば母も喜ぶだろう」と。

ところが、玄関を開けた母の第一声は、「あら、きょうは一緒じゃないの?」でした。 私のことでも、孫のことでもありません。私が毎週の様子見で連れて行っている愛犬のことです。

「今日は人間だけか」と少し残念そうな母を見て、次男は苦笑い。「俺、犬に負けたわ(笑)」と。 私たちは「孫=最強のコンテンツ」だと思い込んでいましたが、母にとっての「現在のニーズ」は、無邪気に尻尾を振る愛犬の温もりだったのです。

これ、笑い話ですが、経営の現場でも同じことが起きていませんか? 「お客様はこれを求めているはずだ」という私たちの思い込みと、お客様が「本当にお金を払ってでも欲しい感情」のズレ。

実は、この「ズレ」の中にこそ、中小企業が生き残るための巨大なヒントが隠されています。 今日は、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SMEJ)の最新ニュースを題材に、「見過ごされている価値(ゴミや痛み)」をどうやって「商売」に変えるか、その具体的な方法をお話しします。

これを読み終える頃には、社内の「ゴミ箱」や「クレーム」が、宝の山に見えてくるはずです。


ニュースの深読み:「捨てられるもの」に「想い」が乗ると商品は化ける

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さて、今回取り上げるニュースは、ソニー・ミュージック(SMEJ)の「サステナビリティDay」の取り組みです。 大企業のCSR(社会貢献)活動なんて、ウチには関係ないよ。そう思った社長、ちょっと待ってください。これは「エコ」の話ではなく、極めて泥臭い「収益化」の話です。

記事によると、SMEJはコンサート会場に贈られる大量の「祝い花(フラワースタンド)」を回収し、ドライフラワーやジン(お酒)、香水に加工して販売するスキームを作ろうとしています。

なぜこれがビジネスになるのか?

通常、祝い花は公演が終われば「産業廃棄物」です。処分にお金がかかります。 しかし、ファンにとってその花は、推しのアーティストと同じ空間にいた「聖なる共有物」です。

ソニーは気づいたのです。 「これはゴミ(花)ではない。ファンの『思い出』という資産だ」と。 だから、それを加工して「グッズ」として売れば、ファンは喜んで買います。廃棄コストが消え、逆に売上が立つ。見事な錬金術です。

苦情対応出身の私だから分かること

私はかつて通販会社の苦情対応部署にいました。 そこでは、「商品が壊れた」という物理的なクレームの裏に、「孫へのプレゼントが台無しになった」という「心の痛み」がありました。

ソニーのもう一つの取り組み、アーティストの「メンタルヘルスケア」も同じ文脈です。 「心の健康」を守ることは、福祉ではなく、タレントという「最大の商品」を長く稼働させるための合理的な投資なのです。

ここから言える中小企業への教訓はただ一つ。 「機能」だけで商売をしてはいけない。「感情」や「ストーリー」が付着したものは、形が崩れても(たとえ廃棄物でも)価値を持つということです。


明日からできる「泥臭い」第一歩

では、資本力のない我々中小企業は、明日から何をすればいいのか。 高尚なコンサルティングは不要です。泥臭く、足元を見ましょう。

私が提案したいのは、「社内にある『負』の資産の棚卸し」です。

小島流・価値転換ワークショップ

明日、現場の社員さんにこう聞いてみてください。

❶「お金を払って捨てているもの」は何?

  • 製造現場の端材、野菜の規格外品、使い終わった梱包材…
  • それには「ストーリー」がありませんか?(例:〇〇神社と同じ木材の端切れ、創業時から使っている布の余り)

❷「お客様が一番怒る(悲しむ)瞬間」はいつ?

  • そこには、お客様が「本当はこうして欲しかった」という強烈なニーズがあります。
  • クレームは「新サービスの仕様書」です。

❸「社員が一番面倒くさがっている作業」は何?

  • その作業を代行するサービスは、同業他社にとって喉から手が出るほど欲しい「ノウハウ」になりませんか?

具体的なアイデアの種

  • 端材のアップサイクル: 家具工場の端材で、子供向けの「積み木」を作る。傷があっても「本物の木の勉強」として売る(ソニーのレコードプレーヤーの事例のように、不均一さを「個性」にする)。
  • プロセスの切り売り: いつも社内で行っている「検品作業」や「清掃ノウハウ」自体を、近隣企業向けのサービスとして外販する。

「あるものを活かして、ないものを創る」。これがウィッテムの、そして私の流儀です。 新しい設備投資をする前に、まずは「捨てているもの」を「商品」と呼び変えてみるところから始めてみませんか。


参謀からのエール

【本記事のまとめ】

  1. 母が孫より犬を求めたように、顧客の「真のニーズ(感情)」は意外な場所にある。
  2. ソニーは「廃棄される花」を「思い出」と再定義し、収益化した。
  3. 自社の「廃棄物」「クレーム」「面倒な作業」こそが、次の新規事業の種になる。

「ウチには何もない」なんて言わないでください。 あなたが日々戦っているその現場にこそ、宝は埋まっています。 もし、「ゴミの山には見えるが、宝には見えない」と迷ったら、いつでも声をかけてください。私が一緒に、宝の地図を描きます。

それでは、また。名古屋の空の下より。


【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」

(※明日の朝礼で、そのまま読み上げてください)

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おはようございます。 今日は一つ、みんなにお願いがあります。

今日一日仕事をする中で、「これ、もったいないな」と思うことや、「お客様、ここですごく残念そうだったな」という瞬間を見つけたら、メモしておいてほしいんだ。

実は、私たちが普段「ゴミ」だと思って捨てているものや、見過ごしている「お客様のちょっとした感情」の中にこそ、会社の次の柱になるチャンスが隠れているらしい。 大手企業のソニーも、捨てられる花を宝物に変えて成功しているそうだ。

ウチの会社にある「捨てられている宝物」を、みんなで見つけよう。 気づいたことがあれば、どんな小さなことでも私に教えてください。

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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