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「大人の三日坊主」を放置する企業は、自ら利益を捨てている?

こんにちは、ウィッテムの小島です。コーヒーでも飲みながら、少しお付き合いください。

実は私、次男の中学野球が終わったのを機に、ポッカリ空いた時間でマラソンを始めました。ただ、フルマラソンではなかなかタイムが伸びず、今はさらに過酷なウルトラマラソンやトレイルランニングへと転向しています。

54歳という年齢もあり、体力的なキツさはありますが、ひたすら己と向き合って走るあの孤独感が妙に肌に合い、意外にも長続きしています。今年3月にオフィスを移転した一宮市の木曽川河川敷を走る爽快感は格別で、家を一歩出ればすぐに練習ができる手軽さも気に入っています。生涯スポーツとしてどこまで走れるかはわかりませんが、今のところ、立ち止まるつもりはありません。

さて、なぜ急に私のランニングの話をしたのか。 それは、今回取り上げるニュースの核心が、「大人のスポーツは続かない」という、多くの人が見て見ぬふりをしてきたリアルな現実からスタートしているからです。

この記事を読んでいただければ、お客様の「続けられない(三日坊主)」という罪悪感や挫折の中に、明日から使える新規事業の強力な種が眠っていることにお気づきいただけるはずです。

ニュースの深読み:「続かない」という痛みに寄り添う

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今回注目したいのは、ミズノとサッポロビールが協働開発した「サッポロ SUPER STAR」というスポーツノンアル飲料のニュースです。

この事例の本当に面白いところは、「新しい飲み物を作った」ことではなく、ミズノが「大人のスポーツが続かない」という社会課題(顧客の痛み)に真正面からぶつかった点にあります。

小中高生は部活があるから運動が続きます。しかし大人はどうでしょう。健康診断の数値に焦ったり、ダイエットを決意して走り始めたりしても、結局は仕事の忙しさや面倒くささに負けて挫折してしまう。ミズノの悩みは「運動が続かないから、スポーツ用品のリピート購入に繋がらない」ことでした。

かつて通販会社の苦情対応部門で、お客様の怒りやため息の奥にある「本音」をひたすら聞き続けてきた私には、この状況が痛いほどよくわかります。お客様は「続けたいのに、続けられない自分」に一番がっかりしているのです。

そこでミズノが取ったアプローチが秀逸でした。「気合で続けろ」と言うのではなく、「運動後のビールのためなら頑張れる」という大人の本音(ワガママ)をすくい上げたのです。ただ、アルコールは脱水のリスクがある。だからこそ、「スポーツノンアル」という新しい市場が生まれました。

「なぜ続かないのか?」という顧客の痛みを深掘りし、そこに免罪符(ご褒美)を用意してあげる。 これこそが、中小企業が新規事業を考える上で最大のヒントになります。

実践:明日からできる「泥臭い」スタート

「なるほど、でもうちの業界には関係ないかな」 そう思ってしまった社長、ちょっと待ってください。この考え方は、どんな業種にも応用できます。明日から現場でできる具体的なアクションを提案します。

それは、「自社の商品やサービスを『途中でやめてしまったお客様』の本当の理由を探る」ことです。

アンケート用紙を配る必要はありません。現場の営業担当や、顧客サポートの社員にこう聞いてみてください。「最近、うちのサービスから離れてしまったお客様って、どんな『言い訳』をしてた?」と。

小島流「三日坊主の解剖」フレームワーク
顧客の「続かない」をビジネスに変えるには、以下の3ステップで思考を整理します。

❶挫折の特定: お客様が自社商品・サービスを使う上で「面倒くさい」「続かない」と感じている工程はどこか?
❷本音の抽出: その裏にある「本当は〇〇があれば頑張れるのに」という隠れた欲求(ご褒美)は何か?
❸他力本願の掛け算: 自社でその「ご褒美」を用意できないなら、どの異業種と組めば実現できるか?

自社の商品をどう改良するかではなく、「お客様の心が折れる瞬間」にフォーカスすること。そこをサポートする仕組みこそが、泥臭くも確実に収益を生む新規事業の第一歩です。

おまけ:小島流「味変アイデア」

今回のミズノとサッポロの事例に対して、「私ならこうする」というアイデアを一つ。

もし私がこのプロジェクトの参謀なら、地域のタクシー会社と組みます。 例えば、山の中を走る過酷なトレイルランニング。ヘトヘトになって下山したゴール地点に、専用の行灯(あんどん)を掲げた「ランナー専用お迎えタクシー」を待機させておきます。ドアが開くと同時に、キンキンに冷えたスポーツノンアルが手渡される。

ただの移動手段だったタクシーが、「運動をやり切った大人への最高のご褒美空間」に変わります。既存の資産(車)に、新しい文脈(スポーツ後のねぎらい)を乗せるだけ。ちなみに、こんな風に「あるものを組み合わせる」のが、一番リスクの低い事業開発なんです。

参謀からのエール

いかがでしたか?今回のポイントを3行でまとめます。

  • 「大人は続かない」という顧客の挫折(三日坊主)にこそ、ビジネスの勝機がある。
  • お客様が本当に求めているのは、正論ではなく「頑張るためのご褒美」である。
  • 自社の商品力だけで解決できないなら、ためらわず異業種の力を借りる。

「アイデアの破壊力で今を変える」。 「あるものを相談して、ないものを創る」。 これが、私たちウィッテムの信条です。

高尚な経営理論を学ぶ前に、まずはお客様の「面倒くさい」「続かない」というリアルな声に泥臭く向き合ってみませんか。あなたの会社のお客様が抱えている「痛み」を、ぜひ私に教えてください。内部の参謀として、一緒に汗をかきながら、新しい事業の柱を創り上げましょう。


【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」

おはようございます。 皆さんは「大人のスポーツは長続きしない」というミズノの調査結果を知っていますか?健康のために走り始めても、結局挫折してしまう。ミズノはそこに着目し、「運動後のビールなら頑張れる」という大人の本音に応えるため、ノンアル飲料を開発しました。

私はこれを知って、ハッとしました。私たちのお客様も、同じように「続けたいけれど、面倒くさくてやめてしまった」ことや、「ちょっとした不満」を抱えているのではないでしょうか。

今日からぜひ、お客様が「挫折してしまう瞬間」や「ため息をつく場面」に目を向けてみてください。お客様の「続かない」を助けるアイデアが、私たちの次のビジネスになります。どんな小さな気づきでも構いません、どんどん私に教えてください。今日も一日、よろしくお願いします!

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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