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三幸製菓に学ぶ、既存の商品を「化けさせる」ための3つの泥臭い観察ポイント

最近、仕事の合間にほっと一息つくのは、決まって自宅の和室です。 畳の香りに包まれながら、窓の外のウッドデッキで元気に走り回る愛犬を妻と眺める。この時間が、何よりの贅沢だったりします。

その和室のテーブルの上には、小さな「お菓子カゴ」が置いてあります。 中身は、私や妻が適当に買ってきたものの詰め合わせ。「これ、新商品だって」「こっち、特売で安かったから」なんて言いながら、食後やテレビを観る時に手を伸ばすんです。

「あ、これ美味しいね」 そんな何気ない一言から会話が弾み、家族の空気が柔らかくなる。お菓子は、ただの食べ物じゃなく、人と人を繋ぐ「コミュニケーションの潤滑油」なんだなと、改めて感じます。

でも、ふと思ったんです。 「なぜ、今日はこの煎餅を選んだのか?」「なぜ、あのお菓子はカゴの中で最後まで残っているのか?」

そんな「なぜ?」を突き詰めていくと、実はビジネスの恐ろしいほど鋭いヒントが見えてきます。今回ご紹介する三幸製菓の牛膓(ごちょう)社長の話は、まさにその「日常の違和感」を事業に変える極意が詰まっていました。


ニュースの深読みと「問い」

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三幸製菓といえば「雪の宿」で有名な米菓大手ですが、今、ロッテ前社長の牛膓氏を迎え、猛烈な変革を進めています。彼が掲げるのは、名付けて「イノ米(ベー)ション」

私がこの記事を読んで膝を打ったのは、彼が「顧客のネガティブな声」を宝の山として捉えている点です。

「食べるときに音が出る」「こぼすところを人に見られたくない」

高校生や大学生に聞くと、こんな意見が出てくるそうです。普通なら「煎餅なんだから音が出るのは当たり前だろ」で終わらせてしまう話です。しかし、牛膓社長はここを「伸びしろ」と見ました。

私はかつて、通販事業の苦情対応部門にいました。毎日、お客様からの切実な「なぜ?」「困る!」「痛い!」に向き合い続けてきました。そこで確信したのは、**「お客様の痛みこそが、最大の経営資源である」**ということです。

なぜ、これが中小企業にとってのチャンスなのか?

大手企業は、効率を重視して「最大公約数」の幸せを狙います。しかし、「煎餅を食べたいけれど、音が恥ずかしくてオフィスで食べられない」という、ニッチで切実な痛みは、大手が見落としがちな隙間です。

  • 「当たり前」を疑う力: 煎餅=バリバリ音がするもの、という固定概念を壊す。
  • シーンの再定義: ロッテの「クーリッシュ」が“歩き飲み”というシーンを作ったように、米菓を「ミルクティーに合わせる小腹満たし」に変えていく。

新規事業とは、何もないところから魔法のように生み出すものではありません。 今ある「素材(技術や商品)」に、新しい「食べ方(シーン)」を掛け合わせるだけ。これなら、高価な設備投資なしでも、知恵と観察だけで始められると思いませんか?


実践:明日からできる「泥臭い」スタート

「よし、うちも何か新しいことを!」と思ったあなたへ。 まずは、難しい会議室を飛び出して、一番泥臭いところから始めましょう。

小島流「顧客の痛み」発掘フレームワーク
❶「買わない理由」の収集: 自社商品を「好きだけど最近買っていない人」や「存在は知っているけど買ったことがない人」に、「なぜ買わないのか?」を1人だけでいいので徹底的に聞く。

❷「非日常」へのダイブ: 三幸製菓が渋谷に拠点を置いたように、自社のターゲットが一番集まる場所へ足を運び、彼らが何に笑い、何に困っているかを3時間観察する。

❸「他業種」との掛け算: 全く関係ない業界(例えば、お菓子×IT、お菓子×介護など)の知人とコーヒーを飲み、「うちの商品、御社の現場で使えませんか?」と無茶振りしてみる。

まずは明日、一番若手の社員にこう声をかけてみてください。 「うちの商品を使っていて、実はちょっと恥ずかしいとか、不便だなと思っているところ、正直に教えてくれないか?」 そこから、あなたの会社のイノベーションが始まります。


おまけ:小島流「味変アイデア」

三幸製菓さんの事例を聞いていて、私ならこんな「味変」を提案したいな、と思いました。

それは、「ASMR専用・超爆音煎餅」です(笑)。 「音がうるさい」という不満を逆手に取って、あえて最高の咀嚼音が出るように素材と焼き方を極める。ストレス発散のためにバリバリと音を立てて食べることを推奨する、メンタルヘルスケア商品としての煎餅。

「ちなみに……」ですが、不満を消すのではなく、不満を「エンタメ」に変換するのも、ニッチでエッジを効かせる一つの手かもしれませんね。


参謀からのエール

今回のエッセンスは、この3行に尽きます。

  • 新事業の種は、技術ではなく「顧客の痛み」の中にある。
  • 「当たり前」という壁を、外の視点とリスペクトで壊す。
  • まずは1人の「買わない理由」を聞くことから始める。

新規事業は、キラキラしたITベンチャーだけの特権ではありません。 私たち中小企業が、泥臭く現場の「なぜ?」に向き合い、「あるものを活かして、ないものをつくる」。その先にこそ、社員も家族もハッピーになれる未来があります。

一緒に汗をかきましょう。 あなたの会社の、まだ言葉になっていない「痛み」、ぜひ私に教えてください。


【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」

皆さん、おはようございます。 今朝、三幸製菓の新社長の記事を読んで、ハッとしたことがあります。

「雪の宿」のような大ヒット商品でも、今の若い世代からは「食べる時の音が気になる」「こぼすのが嫌だ」というネガティブな声があるそうです。でも、社長はそれを「チャンスだ」と言い切っていました。

私たちの仕事も同じです。 お客様が言いにくい「ちょっとした不便」や「本当はこうしたい」という声に、次なる事業のヒントが隠れています。

今日から、もしお客様や取引先から「ここが使いにくいんだよね」という声を聞いたら、それはクレームではなく、新しい仕事の「種」だと思って私に報告してください。 「あるものを活かして、もっと面白いもの」を、みんなで作っていきましょう! 今日も一日、よろしくお願いします!

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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