こんにちは、ウィッテムの小島です。
名古屋の自宅でコーヒーを飲みながら、ふと気づいたことがあります。 今日の記事は、私の家庭の話から始めさせてください。経営者の皆さん、「自分の常識」がいつの間にか「市場のズレ」になっていないか、一緒に点検してみましょう。
妻と息子の長電話で知った「私の知らない若者像」
最近まで知らなかったのですが、県外の大学に通う息子たちは、頻繁に妻(母親)へ連絡をしているようです。 私が仕事で飛び回っている間に、LINE通話で、しかも長男などは一度繋がると1時間も話し込むのだとか。
私が大学生の頃(バブル崩壊前夜の1990年代初頭ですね)を振り返ると、親への連絡なんて「金がない」「単位がヤバい」といった緊急事態以外、ほとんどしませんでした。公衆電話に10円玉を積み上げていた時代と、無料で繋がれるLINEの時代。その差はあるでしょう。
私が「男なら黙って勝負しろ」と思っていた20代と、今の彼らが見ている景色は決定的に違う。 この「自分の過去の常識」と「今のリアル」のズレ。ここを埋めずに「最近の若者は…」と語ることほど、経営において危険なことはありません。
今日は、そんな「大人の勝手な思い込み」を突き崩す、興味深いデータが出たので共有します。

「Z世代は意識が高い」は、大人の願望にすぎない
先日、日経MJに掲載された博報堂生活総研の記事(2026/1/21)が、非常に本質的でした。
記事によると、「Z世代は環境意識が高い」「ベンチャー志向が強い」というのは、データの裏付けがない「思い込み」だというのです。
都合の良い「若者像」を作っていませんか?
記事のデータは衝撃的です。
- 「ベンチャービジネスよりも大企業志向だ」と答えた若者:1994年の約39%から、2024年は63%に急増。
- 「環境保護のために価格が高くなっても買う」と答えた若者:1994年の約52%から、2024年は約30%まで低下。
どうでしょう? メディアでよく見る「社会課題解決に燃えるZ世代」のイメージと真逆ではありませんか?
著者の高橋氏が指摘するように、私たち大人(経営者層)は、「若者にはこうあってほしい」という願望を彼らに押し付けているだけなのかもしれません。「失われた30年」を作ってしまった私たちが、未来を彼らに丸投げして、「君たちは意識が高いから、世界を変えてくれるよね」と期待している。これはある種の「甘え」です。
「空気を読む」のは若者だけじゃない
さらに面白いのが、「最近の若者は空気を読みすぎる」という説。 データを見ると、確かに若者は「意見が違っても反論しない」傾向が増えていますが、実は49〜52歳(私の同世代)も同じように増えているのです。
つまり、「若者がおかしい」のではなく、「日本社会全体が、波風を立てることを恐れるようになった」というのが正解なのです。
「苦情対応」から学んだ真実
私はかつて通販会社の苦情対応部署で、毎日ひたすら「お客様の怒り」と向き合ってきました。そこで骨身に染みたのは、「現場の生声(一次情報)以外、信じるな」ということです。
会議室で役員たちが「若者向けにエコな商品を」と企画会議をしている間に、現場の若者は「インフレで生活が苦しいから、安くて長く使えるものが欲しい」と悲鳴を上げている。 この「痛み(ペイン)」の読み違えこそが、新規事業が失敗する最大の要因です。
中小企業が勝機を見出すべきは、華やかなトレンドワードの裏にある、泥臭い「生活防衛意識」や「安心への渇望」です。ここにこそ、ビジネスの種があります。
明日からできる「泥臭い」第一歩
では、私たちはどう動けばいいのか。 高尚なマーケティング調査は不要です。明日からできる、小島流のアクションプランを提案します。
【アクション】身近な「N=1」に憑依する
社内の若手社員、あるいはアルバイトの学生、ご自身のお子さんでも構いません。 「最近の若者はどう?」と聞くのはNGです。彼らは空気を読んで、あなたが期待する答え(新聞に書いてあるような答え)を返します。
代わりに、こう聞いてみてください。
小島流・本音を引き出す「問い」のフレームワーク
1「最近、自分のお金で『ちょっと高いな』と思いながら買ったものは何?」
2「逆に、絶対に無駄だと思って買わなくなったものは何?」
3「もし今、会社を辞めてもいいと言われたら、一番不安なことは何?」
この答えの中に、彼らの「リアルな価値観(何にお金を払い、何に怯えているか)」が詰まっています。
例えば、「高いけど、長く使えるから良いダウンジャケットを買った」と言うなら、彼らが求めているのは「流行」ではなく「資産性」や「損をしたくない心理」です。 ならば、我々が提案すべき新規事業は、最先端の奇抜な商品ではなく、「絶対に失敗しない、長く付き合える定番」のアップデートかもしれません。
参謀からのエール
「Z世代」というラベルを剥がし、一人の「人間」として彼らを見てください。 そこには、私たちと同じように、将来に不安を感じ、賢く生きようともがく姿があるはずです。 「思い込み」を捨て、「生の声」を聞く。 それができる中小企業だけが、次の時代に選ばれます。
「そうは言っても、ウチの社員の本音が聞けない…」 そんな悩みがあれば、ぜひ小島に声をかけてください。御社の「痛み」を「強み」に変える作戦、一緒に汗をかいて考えましょう。
【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」
(翌朝、このまま読み上げてください)
おはようございます。 今朝は一つ、みんなにお願いがあります。 実は昨日、「我々は自分が見たいものしか見ていない」という記事を読みました。 僕らは「お客様はこう考えているはずだ」「若者はこうだ」と、会議室で勝手に決めつけていないだろうか? たとえば、「環境保護のためなら価格が高くなっても買う」と答えた若者は、1994年の51.9%から、2024年は29.5%まで激減しています。 今日1日、お客様や、あるいは自分の家族でもいい。 「実際はどう思ってるの?」と、「生の声」を一つでも多く拾ってきてほしいんです。 特に、「社長、それは思い込みですよ」という、耳の痛い話ほど大歓迎です。 僕らの勘違いの中にこそ、次の新しい商売のネタが埋まっているはずだから。 今日も現場の「真実」に向き合っていきましょう! よろしくお願いします。

























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