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「台本のある経営」はもういらない? 若者が「恋リア」に熱狂し、御社の商品を見向きもしない理由

名古屋の自宅に、久しぶりに息子が帰省してきました。

そうなると、まあ賑やかです。正確には、私の妻が。 「最近はどうなの?」「ご飯は食べてる?」「あの件はどうなった?」 まるで敏腕刑事の取り調べのごとく、根掘り葉掘り聞きまくる。

私はといえば、一言も聞きません。 薄情なわけじゃないですよ。同じ男として、帰宅早々に質問攻めに合うのがどれだけ苦痛か、身に染みて分かっているからです。察しての「放置」です。

結局、息子は自分で言いたいことだけを話し、妻はそれを満足げに聞き出し、後で私に「あの子、こう言ってたわよ」と全情報を横流ししてくれる。私は一歩も動かず、息子の現状をすべて把握しているというわけです。

なぜ、人はここまで「他人のリアル」を知りたがるのか。 なぜ、綺麗に整えられた報告書よりも、誰かのふとした一言や、泥臭い内情に惹きつけられるのか。

実は、この「のぞき見したくなる心理」こそが、今、若者の間で爆発している「恋愛リアリティショー(恋リア)」熱狂の正体であり、我々中小企業が新規事業を成功させるための最強の武器になります。

「若者の流行りなんて、うちの商売には関係ない」 もしそう思われたなら、少しだけ私のコーヒータイムにお付き合いください。 この記事を読み終える頃には、御社の「当たり前の日常」が、宝の山に見えているはずですから。


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なぜ「不完全なリアル」に金が動くのか

先日、日経MJに興味深い記事が出ていました。 10代から20代にとって、恋愛リアリティショーはもはや「必修科目」なのだそうです。 アンケートでは、ドラマを抜いて視聴時間で首位に迫る勢い。しかも、彼らはただ見ているだけじゃない。出演者が着ている服を買い、コスメを買い、聖地へ足を運ぶ。

私が通販事業の苦情対応部署にいた頃、一番の「宝物」は、マニュアル通りの感謝の言葉ではなく、お客様が思わず漏らした「切実な痛み」や「生々しい不満」でした。

恋リアが支持される理由も、本質は同じです。

  • 「台本がない」という信頼感
  • 完璧なモデルより、悩んでいる「等身大」への共感
  • 何気ない仕草(ドアを丁寧に閉める、など)に見える人間性

今の消費者は、企業が作り込んだ「かっこいい広告」や「完璧な商品紹介」に飽き飽きしています。むしろ、「嘘くささ」を感じて警戒していると言ってもいい。

特にリソースの限られた中小企業が、大手と同じように「完璧なブランド」を作ろうとするのは、実は一番の悪手です。 「あるものを活かして、ないものを創る」のが我々の流儀。 御社の現場にある「試行錯誤」や「失敗」、あるいは「社員のこだわりが強すぎてちょっと面倒な部分」。これらこそが、今の時代、顧客が喉から手が出るほど求めている「リアリティ」なんです。

顧客は「完成品」を買いたいのではありません。その裏側にある「人間ドラマ」に一票を投じたいのです。


明日からできる「泥臭い」第一歩

「うちの会社には、見せるようなドラマなんてないよ」 そうおっしゃる社長、それは大きな間違いです。 外から見れば、御社の「当たり前」は「驚き」に満ちています。 明日から、予算をかけずにできることを提案します。

1. 「バックヤード」を晒す

綺麗なショールームではなく、油の匂いがする工場や、段ボールが積み上がった発送作業場をスマホで撮ってください。そこで働く人の、ちょっとした「こだわり」をキャプションに添えてSNSに上げる。それだけで、恋リアにおける「参加者の素顔」と同じ効果が生まれます。

2. 顧客の「痛み」を収集する

御社の商品・サービスに対して、過去に来た「一番痛かったクレーム」を社員で共有してください。 「なぜ、あの時お客様は怒ったのか?」 その痛みの解消こそが、新しい事業の種です。

【小島流:思考のヒント】
観察: 顧客が「言葉にしていない不便」を、じっと見る(息子を察する私の視点です)。
共感: 「それは大変でしたね」と、苦情対応の精神で入り込む。
破壊: 「業界の当たり前(台本)」を一度ぶち壊し、素の姿を見せる。


おまけ:小島流「味変アイデア」

今回のニュース、Netflixの『ラヴ上等』というヤンキーの恋リアが人気だとか。 ド直球なコミュニケーションが、複雑すぎる現代人に刺さっている。

これ、B2B(企業間取引)でも使えると思いませんか? 「忖度一切なし!本音しか言わない製造業マッチング」。 「うちは納期は遅いけど、精度は日本一です」「うちは高いけど、絶対壊れません」 そんな「ド直球な強み(と弱み)」を晒し合うプラットフォームがあったら、効率重視の時代に、逆に信頼される気がしてなりません。


参謀からのエール

本日のまとめです。

  1. 「完璧」よりも「リアル」が売れる時代である。
  2. 中小企業の「泥臭い現場」は、最大のエンタメであり信頼の源。
  3. 顧客の「痛み」に寄り添えば、企画書は向こうからやってくる。

新規事業は、キラキラした会議室からは生まれません。 妻の執拗な聞き取り調査のように、あるいは私の静かな観察のように、相手の「生(なま)」の姿に向き合うことから始まります。

あなたの会社の「痛み」や「こだわり」、私に聞かせてくれませんか? そこにあるものを活かして、まだない明日を一緒に創りましょう。


【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」

皆さん、おはようございます。 突然ですが、最近の若者の間で「恋愛リアリティショー」という、台本のない番組が流行っているのを知っていますか?

なぜ、あんなに人気なのか。それは、着飾った姿ではなく「一生懸命に悩んだり、素の自分を出したりする姿」に、みんなが共感しているからだそうです。

これ、私たちの仕事にも通じると思いませんか? お客様が求めているのは、カタログに載っているような綺麗な言葉だけではありません。私たちが現場でどれだけ悩み、工夫し、時には失敗しながらも良いものを作ろうとしているか。その「熱量」や「裏側」に、お客様は価値を感じてくださるはずです。

今日からは、少しだけ「自分たちのこだわり」を外に伝える意識を持ってみてください。かっこつけなくていいんです。私たちの「一生懸命」を、そのまま届けていきましょう。今日も一日、よろしくお願いします!

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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