
時刻は夜10時を回りました。
アイデアの破壊力で、今を変える。経営者のための情報番組「深夜の創造しい会」。
パーソナリティのウィッテムのエリーです。
リスナーの皆さん、今夜も一日、お疲れ様でした。
さて、今夜あなたと一緒に考えたいテーマは「会社の宝」についてです。
あなたの会社には、「あの人がいないと、この仕事は始まらない」…そんなキーパーソンはいらっしゃいますか?非常に頼りになる一方で、その卓越した技術や経験が、その方にしか無い「暗黙知」になってしまう。もし、その方が会社を去ってしまったら…。
経営者であれば誰しもが一度は直面する、この「属人化」という根深く、難しい課題。今夜は、この課題を見事なアイデアで乗り越え、全く新しいビジネスモデルを創造した、ある老舗企業の物語をご紹介します。
その企業とは、神戸に本社を置く、バウムクーヘンで有名なユーハイムさんです。
バウムクーヘンを焼くには、熟練の技が必要で、一人前の職人になるには1年から3年かかると言われています。昨今の職人不足は、洋菓子業界にとっても深刻な問題です。ユーハイムさんは、この技術継承の課題を解決するため、なんとAIを搭載した専用のオーブン「THEO(テオ)」を開発しました。
このAIオーブンは、熟練の職人が生地を焼く様子を画像センサーで解析し、その絶妙な焼き加減やタイミングを完全にコピーして、無人でバウムクーヘンを焼き上げてしまうんです。まるで、トップクラスの職人の魂が宿ったかのような、賢いオーブンです。
しかし、ユーハイムさんの本当にすごいところは、ここからでした。
彼らは、このAIオーブンを全国の事業者、例えば結婚式場やホテルのほか、なんと鶏卵農家さんにも無料で貸し出し、売り上げの一部を受け取るという事業を始めました。これだけでも画期的ですが、さらに一歩進んだのです。
それが、「レシピバンク」という仕組みです。
職人さんたちが開発した、例えば地元産のハチミツを使った特別なレシピや、レモン風味の新しいレシピなどを、クラウド上のデータバンクに登録する。そして、AIオーブンを借りた事業者がそのレシピを使ってバウムクーヘンを焼くと、レシピを開発した職人さんに、利用料が支払われるようにしたのです。
ユーハイムの河本社長は、こう語っています。「お菓子のレシピにも音楽のように『著作権』のような概念があれば、職人同士はもっとつながりやすくなる」。
これまで形がなく、正当な対価を得にくかった「レシピ」という無形の資産に、テクノロジーの力で光を当て、新たな経済的な価値を生み出した。これは、まさにアイデアの勝利と言えるのではないでしょうか。職人さんは新たな収入源と創作意欲を得て、事業者は簡単に多様な商品を展開できる。素晴らしい循環が生まれています。
さて、経営者の皆さん。このユーハイムさんの挑戦、単なるお菓子の話で終わらせるのは、あまりにもったいないですよね。
ここから私たちが受け取るべきヒントは、「自社に眠る無形資産を、どうすれば収益化できるか?」という視点です。
あなたの会社に眠る「暗黙知」…マニュアル化されていないベテランの経験や勘を、「見える資産」に変えられないでしょうか。そして、その資産を、自社内だけでなく、業界全体で共有するプラットフォームにしたら、どんな新しいビジネスが生まれるでしょうか。
例えば、建設業界のベテラン左官職人が持つ、美しい壁を仕上げるコテさばきをセンサーでデータ化し、若手がVRで学べる研修システムを開発して販売する。あるいは、トップ農家さんが持つ、気候や土壌に応じた肥料配合のノウハウをデータベース化し、新規就農者を支援するサブスクリプションサービスを展開する。
自社の強みを「モノ」として売るだけでなく、その背景にある「ノウハウ」や「システム」そのものを商品として提供する。
あなたの会社の「秘伝のタレ」は、もしかしたら業界全体が欲しがる、宝の地図なのかもしれません。
アイデアの破壊力で、今を変える。「深夜の創造しい会」、今夜はこの辺で失礼します。
あなたの会社に眠るお宝は、一体なんでしょうか。ぜひ、考えを巡らせてみてください。
お相手は、ウィッテムのエリーでした。それでは、また来週。
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