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重機がブロマイドになる時代。御社の「当たり前」は、誰かの「熱狂」かもしれない

工事現場の特等席

私の息子たちがまだ小さかった頃の話です。 男の子なら誰もが一度は通る道かもしれませんが、彼らも例に漏れず、電車、ロボット、そして「重機」に夢中でした。

特に長男は、散歩の途中で工事現場を見つけると、もうテコでも動かない(笑)。 「ガガガガッ」という轟音と、巨大なショベルカーが土を掘り返す迫力。大人の私たちが「うるさいな」と眉をひそめて通り過ぎるその光景が、彼にはキラキラしたエンターテインメントに見えていたんですね。

そんな長男に、よく付き合ってくれていたのが私の母(祖母)でした。 フェンス越しに、飽きもせず並んでショベルカーを眺めるおばあちゃんと孫。 今思い返すと、微笑ましくもあり、不思議な光景です。

ふと思ったんです。 もし街角に、ただひたすら工事現場の様子をリアルタイム配信しているカフェがあったら、一定の層には熱烈に愛されるんじゃないか?と。 大人にとっては「騒音」や「日常」でも、誰かにとっては「憧れ」や「非日常」になる。

実はこの視点こそが、今、人手不足に悩む中小企業を救う「起死回生の一手」になるかもしれません。

今日は、そんな「視点の転換」で見事な手を打った、ある企業のニュースを深掘りします。


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なぜ世界の「日立」がブロマイドを売るのか?

「BtoB」の殻を破る、意外な一手

先日、こんなニュースを目にしました。 あの日立建機が、ファミリーマートのコピー機で「重機のブロマイド」を販売し始めたというのです。アイドルやアニメキャラに並んで、油圧ショベルやダンプトラックの写真が並ぶ。想像すると少しシュールですよね。

しかし、これは単なる「ウケ狙い」ではありません。 背景にあるのは、建設業界の深刻な「痛み」です。

  • 労働力の減少: ピーク時から30%減。
  • 高齢化: 29歳以下の若手はわずか1割。

このままでは業界が立ち行かない。そこで彼らが目をつけたのが、私の息子のような「重機ファン(愛好家)」たちでした。

「商品を売る」のではなく「ファンを雇う」

ここで注目すべきは、日立建機の戦略が「グッズで儲けること」ではない点です。 彼らは「重機ファンダム」というコミュニティを作り、最初はグッズ販売などの収益化を考えていました。しかし、現場の声を聞き、方向転換します。

「金銭的な利益ではなく、業界のファンを増やし、将来の担い手を育てる」

これ、参謀として言わせていただくと、非常に鋭い。 従来の採用活動は「条件(給与・休み)」の提示でした。しかし、これからの採用は「好き(推し)」の延長にあるべきだという提案です。

中小企業の経営者である皆さんは、こう思うかもしれません。 「うちは日立のような大企業じゃない。有名な重機もない」と。

いいえ、違います。 日立建機が証明したのは、「ニッチな産業機械(=プロの道具)」こそが、コンテンツになるという事実です。

あなたが毎日見ている工場の機械、職人が削り出す火花、配送トラックの積み込み作業……。 これらは、社内の人間にとっては「ただの労働」ですが、社外の人間、特にその業界を知らない若者にとっては「未知のすごい技術(推し)」になり得るのです。

「苦情(痛み)が宝」であるように、「日常(退屈)もまた、宝」なのです。


明日からできる「泥臭い」第一歩

では、予算のない我々中小企業は、明日から何をすればいいのでしょうか? コンビニと提携する必要はありません。まずは社内の「足元」を見つめ直すことから始めましょう。

小島流・「推し」発掘フレームワーク

STEP 1:社内の「マニアック」を探せ

社員にこう聞いてみてください。「この仕事をしていて、一番『俺、今かっこいいかも』と思う瞬間はいつ?」または、「一般の人が見たら『えっ!?』と驚くような作業はあるか?」ベテラン職人の手の動き、特殊な工具、整理整頓された倉庫。これらが「種」です。

STEP 2:加工せずに「生」で出す

立派なプロモーションビデオは不要です。スマホで撮影した「現場の音」「機械の動き」「職人の真剣な目」を、InstagramやTikTok、YouTubeショートにアップする。ポイントは**「盛らない」**こと。リアリティこそが、現代の「推し活」世代に刺さります。

STEP 3:オンラインから「リアル」へ

反応があったら、少人数限定の「工場見学ツアー」や「オンライン座談会」を開く。採用面接ではなく、「ファンミーティング」として開催するのがコツです。「働きませんか?」ではなく「見に来ませんか?」と誘うのです。

私の妄想した「工事現場カフェ」ではありませんが、例えば「深夜の工場音をひたすら流すライブ配信」や「検品作業の手元だけを映す動画」が、意外なバズりを見せることがあります。

「自社の仕事は地味だ」と卑下しないでください。 その地味さの中にこそ、日本の産業を支える「凄み」がある。 それに気づき、発信できた企業から、採用難というトンネルを抜け出せるはずです。


参謀からのエール

かつて私の母と息子がフェンス越しに見つめた景色。 そこには、働く人への純粋なリスペクトがありました。

あなたの会社にも、必ず誰かの心を震わせる「フェンス越しの景色」があるはずです。 まずはスマホ片手に、現場へ降りてみませんか?

「うちの会社、何がネタになるか分からないよ」という社長。 ぜひ私に声をかけてください。外部の視点(参謀の目)で、御社の「推しポイント」を掘り起こしに参ります。一緒に汗をかきましょう!


【付録】経営者が朝礼で社員に語る「30秒メッセージ」

(※翌朝、現場の社員に向けて、社長自身の言葉として語ってください)

「おはようございます。 今日はみんなに、改めて伝えたいことがあります。

実は昨日、建設機械の重機が『アイドルのブロマイド』のように若者の間で人気になっているという記事を読みました。 私はハッとしました。私たちが毎日当たり前のように動かしているこの機械、そしてみんなが当たり前のように行っているその技術。 これらは、外の人から見れば『感動するほどカッコいいもの』なんだと。

毎日同じことの繰り返しで、大変なこともあると思います。でも、みんなの仕事は、誰かの『推し』になるくらい価値のある仕事なんです。 今日も、そんな誇り高い『プロの背中』を見せていきましょう。よろしくお願いします!」

小島章裕

元・苦情係の社長参謀、企画力が強み。創業2001年、事業開発で企業を強くする会社を経営。毎日200件のクレーム対応で培った顧客目線を武器に、経営者の右腕、現場の伴走者として事業開発と組織変革を支援。お客様の痛みを知るからこそ、血の通った戦略で貴社の挑戦を支援します。趣味はウルトラマラソン&トレイルラン。

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